ソウル最高の路上美術館「梨花洞壁画村」
ソウルといえば何を思い浮かべますか?年代によって変わるかもしれませんが、最近は流行に乗ったファッション、雰囲気の良いカフェなど、何となくおしゃれなイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。「インスタ映え」の宝庫であるソウル、その中でも特におすすめしたい街並み「梨花洞壁画村」を紹介します!壁画村の見どころはもちろん、壁画の美しさの裏に存在する激動の戦後韓国の歴史まで、読めば韓国街並み歩きをより一層楽しめる記事となっております!
山の斜面に広がる路上美術館
ソウルの東大門北側に広がる山、ナクサン。山の西斜面に位置する街、それが梨花洞壁画村。ここでは、街を歩きながらあちこちの壁や階段に描かれた壁画を見ることができます。駅から少し離れていて、坂の上にあるにも関わらず、多くの人が写真を撮りに訪れています。街の隅々まで絵が描かれていて、路上美術館と呼ぶのにふさわしい雰囲気です。歩いていると外国語も頻繁に聞こえてきます。SNSで広まったのはもちろん、韓国ドラマのロケ地としても海外でも有名なんです!例えば、「ボーイフレンド」最終回、パクボゴムがソンヘギョにプロポーズした場所はここ!
国民的英雄まで壁画に!
壁画の種類は本当に様々。天使の翼、子犬、部屋の中、そして上の写真は誰か分かりますか?サッカーが好きな方なら誰でも知っているソンフンミン選手です!ヨーロッパのプレミアリーグでも活躍するソン選手は韓国の英雄的存在。壁画のポーズは彼のゴールパフォーマンスなんです。隣で同じポーズで写真を撮るのもいいですね!壁画は描き替えられるため、行くタイミングによって見られるものが変わります。何度行ってもワクワクしながら街歩きを楽しめますね。
韓国各地に点在する壁画村
壁画村はここだけでなく韓国各地に存在します。上の写真は同じくソウルのケミマウルという街の壁画。この街は観光客は少なめですが、ソウルとは信じられないほど昔ながらの住宅地を見ることのできる隠れおすすめスポットです。ところで、壁画村は斜面上に位置し、狭い路地に家が密集している場合が多いです。なぜでしょうか。
壁画が映す戦後韓国、激動の時代
その理由を説明する前に、梨花洞壁画村の成立背景を説明します。街に壁画が描かれ始めたのは2006年。文化観光部がこの街に活気を取り戻すプロジェクトを行った際、画家、大学生、ボランティアなどにより多くの壁画が描かれました。以前はここ一帯は活気が少なく、少し寂れた雰囲気だったそうです。今も脇道に入れば、狭い路地に家がひしめき合う昔ながらで独特な雰囲気です。上で、壁画村は斜面の住宅密集地に多いと書きました。理由を明かすカギは「朝鮮戦争」と「急速な工業化」。朝鮮半島を二分した過酷な戦争で住居を失った人々、工業化により農村を離れた人々が都市に流入しましたが、経済的に苦しい彼らは生活上不便な斜面に集住するしかありませんでした。そのような住宅街をタルトンネ(月の村)と呼びます。その後、経済発展、都市化などにより貧困住宅街は減っていきました。残ったタルトンネも空き家が目立つようになり、雰囲気も荒廃していく中、街に活気を取り戻そうと壁画を描く取り組みが行われるようになったのです。梨花洞壁画村に代表される韓国の壁画のある街並み。そこには壁画の美しさと共に、激動の時代を生きた人々の記憶が息づいています。
「梨花洞壁画村」まとめ
梨花洞壁画村の紹介いかがでしたでしょうか。街歩きをしながら壁画鑑賞と写真撮影を楽しみ、壁画村の裏に隠された韓国の歴史について考えてみるのはどうでしょうか。ソウルを訪れた際はぜひ足を運んでみてください!