バルセロナ旅行前の注意点5選

スペイン・カタルーニャ地方の中心都市、バルセロナ。世界遺産のガウディ建築やビーチ、グルメと魅力満載の観光地として、世界中の旅行者が訪れます。しかしその人気ゆえ、バルセロナでは観光客が知っておくべき注意点も多く存在します。特に最近では地元住民によるオーバーツーリズムへの抗議デモや、旅行者を狙ったスリの被害など、安全面・社会的背景の理解が重要になってきました。本記事では、実際にバルセロナを訪れた経験をもとに、「安心して旅行を楽しむために」知っておくべき5つの注意点をご紹介します。また、注意点を紹介しながら観光名所の写真も紹介していきます。
バルセロナのオーバーツーリズム

日本でも近年は京都や富士山周辺の地域で耳にするようになってきた「オーバーツーリズム」ですが、バルセロナでは年間約3,000万人以上の観光客が訪れ、その影響で家賃の高騰や地域コミュニティの崩壊といった社会問題がさらに深刻化しています。一つの都市でこの数の観光客を受け入れているというのは驚くべきことで、たとえば2024年の日本全体での訪日外国人観光客が約3,700万人だったことと比較しても、その多さが際立ちます。このような「オーバーツーリズム」に対して、現地の住民からは不満の声が高まっており、近年では「観光客お断り」と書かれた落書きが街中に見られたり、観光客に対する抗議デモが実際に行われることもあります。中には、観光客に水を掛けるなどのトラブルも報告されています。もちろん、観光客全体に敵意を持っているわけではありませんが、知らず知らずのうちにマナー違反をしてしまったり、静かな住宅街で大きな声を出したりすると、現地住民にとっては迷惑となることもあるため、旅先でも思いやりある行動を心がけてください。写真は、バルセロナのカテドラルです。
スリ・置き引きに要注意

バルセロナはヨーロッパでもスリ被害が非常に多い都市のひとつです。特にランブラス通り、カタルーニャ広場、地下鉄、サグラダ・ファミリア周辺では観光客を狙ったスリが多発しています。犯人はグループで行動し、注意をそらせて財布やスマホを盗む手口が一般的です。バッグはチャック付きのものを体の前に抱えるようにし、レストランなどでも荷物を足元に置かず、椅子に固定するなど工夫が必要です。空港や駅やホテル周辺でのキャリーケースの盗難の被害もあるので荷物からは目を離さないようにしてください。私の友人は空港で目を離した隙にキャリーケースを盗難されたことがあります。また、警察に届け出ても盗品が戻るケースは少ないため、あらかじめ盗難対策をしておくことが重要です。海外はどこもそうではありますが、日本の治安の良さとは違うということを頭にいれておいてください。写真はカタルーニャ美術館です。
夏季の混雑と観光スポットの予約必須化

バルセロナは毎年6月から9月にかけて観光のハイシーズンを迎え、世界中から訪れる旅行者で街が賑わいます。この時期は天候も安定していて過ごしやすい反面、主要な観光スポットでは長蛇の列や入場制限が日常茶飯事となり、思うように観光できないこともしばしばです。特に人気の高いサグラダ・ファミリアやグエル公園、カサ・バトリョなどは、事前予約なしでは入場自体ができない場合もあり、当日券を求めて並んでもすでに売り切れていることがあります。実際、私が訪れた際にはサグラダ・ファミリアのチケットは事前にオンラインで購入していたためスムーズに入場できましたが、グエル公園は予約を忘れていたため、長い行列に並ぶ時間もなく、やむなく入場を断念しました。こうした経験から言えるのは、現地での限られた時間を無駄にしないためにも、出発前に公式サイトや旅行アプリを活用して予約を完了させておくことが極めて重要だということです。また、観光地によっては早朝の時間帯であれば比較的空いており、写真も撮りやすく、静かな雰囲気の中でじっくり見学できます。時間帯や訪問日の工夫も、快適な旅を実現するポイントです。写真は、世界遺産サグラダ・ファミリアです。
観光地価格と飲食店選びのポイント

バルセロナの観光客向けエリアでは、飲食店の価格が非常に高く設定されていることが多く、必ずしもその価格に見合った味やサービスが提供されているとは限らないです。特にランブラス通り沿いや旧市街の目抜き通りにあるレストランでは、観光地価格が当たり前のように適用され、1杯のビールが7〜8ユーロ、パエリア1皿が20ユーロ以上ということも珍しくありません。料理の質が平均以下で、サービスも悪いケースがあるため、食事を楽しみにしている旅行者にとっては残念な経験になることも。そんな中でおすすめは、地元の人々が普段使いしているような「バル」や、市場内にある小さな飲食ブースです。価格が手頃で、本格的なスペイン料理やカタルーニャの郷土料理が楽しめることが多く、現地の生活文化も感じられる貴重な体験となります。Googleマップのレビューも参考になりますが、少し勇気を出して裏通りに入ってみたり、現地の人におすすめを聞くことで、思わぬ「当たり店」に出会えることがあります。写真はカサ・ビセンスです。
バルセロナの気候と服装の落とし穴

バルセロナは地中海性気候に属し、一年を通して比較的温暖で過ごしやすい気候が魅力です。ただし、夏は気温が30度を超える日も多く、湿度も高めのため蒸し暑さを感じやすいです。逆に、冬は東京と同じくらいの緯度に位置していることもあり、日中は穏やかでも朝晩は思った以上に冷え込むことがあります。特に夏場は紫外線が非常に強く、長時間の移動の際には帽子・サングラス・日焼け止めの三点セットが欠かせません。冬に訪れる場合も、昼間の気温に油断せず、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルを意識するのがポイントです。また、バルセロナの旧市街地やモンジュイックの丘周辺では、石畳や急な坂道が多く、足元が不安定な場所もあります。そのため、旅行中はスニーカーのような、歩きやすく滑りにくい靴を選ぶことが安全面でも快適さの面でも重要です。長時間の観光を楽しむためにも、服装と足元の準備にはぜひ気を配ってください。写真はスペイン広場近くのマジカ噴水です。