歴史香るジャイプール4大名所巡り

インド・ラージャスターン州の州都ジャイプールは、「ピンク・シティ」の愛称で親しまれる、美しい歴史都市です。18世紀に建設されたこの街には、王族の栄華を今に伝える宮殿や要塞、神聖な寺院、そして風が通り抜ける幻想的な建築まで、見どころがぎっしり詰まっています。街歩きだけでも異国の香りを感じられる魅力的な場所ですが、今回はその中でも、初めてジャイプールを訪れる方にぜひ体験してほしい4つの名所をご紹介します。赤い城壁で囲まれ、「ピンクシティ」とも呼ばれている旧市街は、ラージャスターン州の旧ジャイプール旧市街の登録名称で2019年に世界遺産に登録されています。インドの各地を旅する方への参考情報としてですが、ジャイプールへは2泊3日~3泊4日程の予定を組んでいれば主要な場所は周れます。
ジャイプールの中心に広がる王族の邸宅シティ・パレス

ジャイプール観光で外せない名所のひとつが、「シティ・パレス(City Palace)」です。18世紀初頭、マハラジャ・サワーイー・ジャイ・シング2世によって築かれたこの王宮は、ラージプート建築とムガル建築が融合した美しい宮殿複合施設です。ピンク・シティの中心に位置し、かつての王族の生活と威厳が感じられるスポットとして、国内外の観光客に非常に人気があります。チケットは大きく分けると、マハラジャの宮殿の一部を博物館を公開している箇所を周れるシティ・パレスのチケットと、マハラジャ達が今も住んでいる所を見れるロイヤル・パレス・ツアーの2種類あります。SNSでよく見かける白と青の部屋の写真を撮りたい方は、ロイヤル・パレス・ツアーを選んでください。チケット料金は3倍程となります。

シティ・パレスの入場口をくぐると、まず目に飛び込んでくるのが「ムバラク・マハル(歓迎の宮殿)」。現在はテキスタイル博物館となっており、豪華なマハラジャの礼服や手刺繍の衣装が展示されています。建物自体も繊細な彫刻とバルコニー装飾が見事で、写真映えすること間違いなしです。チャンドラ・マハルの中庭は、4つの門の装飾が美しいとSNSでも人気で、写真撮影をしている観光客の方が多くいました。
【シティ・パレス】
住所:The City Pl., Jaipur Rajasthan
アクセス:ハワー・マハルから徒歩3分程
営業時間:9時30分~17時
公式サイト:https://royaljaipur.in/
信仰と美が調和するモティ・ドゥングリ・ガネーシュ寺院

ジャイプールにあるモティ・ドゥングリ・ガネーシュ寺院は、1761年に建立されたヒンドゥー教の聖地で、象の頭を持つ神・ガネーシャを祀っています。白大理石で築かれた寺院は、ラージプートと南インド様式が融合した美しい建築が特徴です。私が訪れた時間は夜遅くだったのですが、寺院の周りに多くの人が集まっていてインドの人々の心に根づいた信仰の深さを感じました。寺院の外には花や供物を売る屋台が並び、活気にあふれた雰囲気です。毎週水曜日が特に縁起の良い日とされ、非常に多くの参拝者が訪れます。
ジャイプールの丘にそびえる荘厳なアンベール城

ジャイプールを訪れたら絶対に外せないのが、アンベール城。市街地から車で30分ほど走ると、山の中腹に壮大な城が現れ、まずその迫力に圧倒されます。赤砂岩と白大理石で築かれたこの要塞は、16世紀にラージプートの王族によって建てられ、ムガル様式と融合した優美な造り。入口から城内へは象に乗って登ることもでき、まるで時代を遡るような体験が楽しめました。門をくぐると、広大な中庭や鏡の間、王妃の部屋など、豪華で趣のある空間が次々と現れ、カメラのシャッターが止まりません。

アンベール城の中でも特に感動したのが「シーシュ・マハル(鏡の間)」。天井から壁までびっしりと鏡が埋め込まれていて、ろうそくの灯りだけで部屋全体が光に包まれる様子が想像できるほど美しい空間です。ガイドによると、王妃のために造られたこの部屋は、昼でも夜でも幻想的な雰囲気を楽しめるよう設計されたとのこと。城から見下ろすモアンタ湖の眺めも絶景で、風が通り抜ける中、しばらく時間を忘れて過ごしました。歴史と美しさが同居するアンベール城は、写真だけでは伝わらない感動にあふれています。帰りについてですが、高い金額を要求するオートリキシャのドライバーはいたのですが、なかなかタクシーが見つからなかったので、10分以上歩いて移動をしたところからタクシーを見つけました。他の方のブログを見たのですが、Uberもつかまりにくいようです。
【アンベール城】
住所:Amber, Jaipur Rajasthan
アクセス:ハワー・マハルから車で20~30分程
営業時間:8時~17時30分
公式サイト:https://www.tourism.rajasthan.gov.in/amber-palace.html
ピンク・シティの象徴、風の宮殿「ハワー・マハル」

ジャイプール旧市街の代表格でガイドブックでジャイプールを紹介する際にメインとなる場所が「ハワー・マハル」です。赤砂岩で造られたこの建物は、まるでハチの巣のように小窓が無数に並び、幻想的な外観です。1799年、王族の女性たちが外に出ることなく街の様子を見られるようにと建てられたもので、「風の宮殿」の名の通り、風通しの良さを意識した設計がなされています。外から見るだけでも十分に美しいですが、中に入るとその構造の工夫や涼しさが実感できます。ピンク・シティの歴史と気品を象徴する建築です。

ハワー・マハルの内部は外観とは異なり、とても静かで落ち着いた空間でした。まあ、インドなので観光客の方は非常に多いですが。外に面した小窓(ジャロカ)はなんと953個あり、それぞれが風を通し、強い日差しを和らげてくれます。細かい格子から街のにぎわいを眺めると、まるで王族の一員になったかのような気分に浸れます。上階へ進むとジャイプールの街が一望でき、遠くのアンベール城まで見える眺めは絶景です。派手さよりも、風や光、影を美しく取り入れた知恵と繊細さに心打たれた建物でした。
【ハワー・マハル】
住所: Hawa Mahal Rd, Badi Choupad, J.D.A. Market, Pink City, Jaipur
営業時間:9時~19時
公式サイト:obms-tourist.rajasthan.gov.in/place-details/Hawa-mahal
※チケットの購入ができます