パルテノン神殿だけじゃない!アテネは歴史的観光名所の宝庫

アテネ市内には、古代から近代に至る多様な建築や遺跡が点在し、観光名所はパルテノン神殿だけではありません。近代的な街並みのすぐ近くに歴史的な風景が広がっているため、歩くだけでも楽しめます。写真を撮りたくなる場所も多いですが、似たような遺跡が多いため、後から見返すと石の写真ばっかりで「この写真はどこだっけ?」となりがち。旅行後は早めに写真の整理をするのを推奨します。アテネの観光についてですが、主要な観光地は市内に集中していて移動しやすいですが、見どころが多いため、3〜4日以上は滞在した方がいいです。時間に余裕があれば、日帰りで行ける島巡りツアーに参加するのもおすすめです。
ギリシャ正教会の総本山アテネ大聖堂

アテネ大聖堂は、ギリシャ正教会の総本山として知られ、アテネ中心部のミトロポレオス広場にあります。そのため、ミトロポレオス聖堂ともよばれていますが、正式名称は「生神女福音大聖堂」です。1842年に着工し、完成したのは1862年なので20年を要して建てられました。左右に二本の鐘楼がありますが、高さが違うのが特徴的です。また、正面のアーチには宗教画のモザイクが施されています。今も王族や著名人の結婚式、葬儀など、国家的な宗教行事の場としても使われています。アテネ観光の起点のシンタグマ広場から徒歩数分なので立ち寄り易いです。礼拝の時間と重ならなければ中に入ることもできます。
【アテネ大聖堂】
住所:Plateía Mitropóleos Athens
アクセス:地下鉄シンタグマ駅M2/M3徒歩5分程
営業時間:7時~19時(※季節により異なる)
WEBサイト:https://www.iaath.gr/
ギリシャの中枢、国会議事堂

ギリシャ国会議事堂はアテネ中心部のシンタグマ広場に面して建っています。宿泊したホテルの最寄り駅が地下鉄シンタグマ駅だったので電車移動の際に頻繁に見かけていました。ギリシャ国会議事堂はもともとは1836年にギリシャ王国の初代国王オットー1世の宮殿として建てられましたが、1909年に火災で被害を受け、その後に再建されて1935年に国会議事堂としての利用が始まりました。建物は四角形の堅牢な構造で、外観はシンプルですが、威厳があり、中央には国章が掲げられています。内部は一般非公開ですが、公式イベントの時には特別見学が許可される場合もあります。正面には広場があり、周囲は歩行者に開放されているため、写真を撮り易いです。
無名戦士の墓

無名戦士の墓は、国会議事堂の正面に設けられた記念碑で、第一次世界大戦以降の戦争で命を落とした名もなき兵士たちを追悼するために1932年に建てられました。中央には横たわる兵士の浮彫が彫られていて、その左右に戦地名が刻まれています。記念碑の前には、伝統衣装を着た「エヴゾナス」と呼ばれる衛兵が常駐していて、1時間ごとに交代式が行われます。特に毎週日曜午前11時には、音楽隊と複数人の兵士による拡大式典が行われ、観光客に人気です。記念碑周辺は柵で囲まれていなくて比較的近くで見学ができますが、警備の人がいるので撮影マナーに気を付けてください。
歴史好きじゃなくても楽しめるアクロポリス博物館

アクロポリス博物館は2009年に開館した考古学専門の博物館で、アクロポリス遺跡から出土した彫刻や遺物を中心に展示されています。建物は4階建てで広いので見所も多いです。写真右の「カリアティード(女性像柱)」はエレクテイオン神殿のオリジナル像で、6体中5体がここに移設されて気候管理された館内で保存されています。実は、エレクテイオン神殿に、いま設置されている方が複製です。写真左側は博物館の足元に見える発掘跡で、古代アテネの住宅街の一部。アクロポリス博物館は建物全体がガラス床構造になっていて、訪問者は上から遺構を観察できますよ。
【アクロポリス博物館】
住所:Dionysiou Areopagitou 15, Athens 117 42
アクセス:地下鉄M2線 Akropoli(アクロポリ)駅からすぐ
営業時間:[4月~10月]9時~20時(月~木)9時~22時(金)9時~20時(土・日)
[11月~3月]9時~17時(月~木)9時~22時(金)9時~20時(土・日)
ローマンアゴラ

ローマン・アゴラは、アテネ旧市街プラカ地区に位置する古代の広場跡。アクロポリスが紀元前5世紀頃の遺跡なのに対し、ローマン・アゴラは紀元前1世紀にユクレスがローマ皇帝アウグストゥスらの支援を受けて建設したものです。長方形の広場を中心に、柱廊や店の跡、公共トイレ、噴水などが配置されていました。西側の正門「アテナ門」は大理石製のドリス式で、現在もほぼ完全な状態で残っています。多くは、石の集まりのようなものですが、ここは元々はなんだったのかを想像しながら観光していると楽しめます。
スケールの大きな石柱、ゼウス神殿

ゼウス神殿はアテネ市街中心部に位置する巨大な列柱建築で、正式名称は「オリンピエイオン」。着工は紀元前6世紀だが、完成したのはローマ皇帝ハドリアヌス時代の131年で、600年以上を要しました。コリント式の大理石柱はもともと104本ありましたが、残っているのはそのうち15本です。広い敷地には基壇や祭壇跡も見られ、敷地の端にはハドリアヌス門が立っています。神殿の内部構造は残っていませんが、柱のスケールから当時の壮大さが推測できます。入場料はアクロポリス共通券に含まれていて、徒歩でのアクセスも可能です。見学時間は20〜30分ほどが目安です。
【ゼウス神殿】
住所:Athens 105 57, Greece
アクセス:M2線 アクロポリ(Akropoli)駅から徒歩約4分程
営業時間:8時~19時(4月~10月)、8時~15時(11月~3月)
公式サイト:https://www.visit-olympia.gr/en/listing/temple-olympian-zeus
ヘロディス・アッティコス音楽堂

「ヘロディス・アッティコス音楽堂」は、紀元161年、哲学者だったヘロディス・アッティコスが亡き妻のために建てたローマ式円形劇場です。約5,000人を収容できるこの大理石の劇場は、かつて演劇や音楽の上演が行われていた文化の中心地でした。267年に破壊された後、1950年代に修復され、現在では「アテネ・フェスティバル」などの舞台芸術イベントの会場としても利用されています。観客席からはアクロポリスの丘と市街地を一望できます。ヘロディス・アッティコス音楽堂はアクロポリスの構成要素の一つとして1987年に世界遺産に登録されています。
【ヘロディス・アッティコス音楽堂】
住所:Dionysiou Areopagitou, Athina 105 55
アクセス:アクロポリ(Akropoli)駅(M2赤ライン) から徒歩約1〜2分