まるで絵本の世界!ドイツの宝石箱ローテンブルクの魅力をたっぷりご紹介

ローテンブルクの街

ドイツ南部を縦断する約400㎞の道のりは、ロマンティック街道の名で知られています。基点はフランクフルト近くのヴィルツブルグからで、終点はノイシュバンシュタイン城があるフュッセン。道中には多くの中世都市や城が点在しています。中でも人気が高いのは中世の街並みを色濃く残すローテンブルク。城壁に囲まれた旧市街は保存状態が良く、絵本の世界のような街並みが楽しめます。街のの正式名称はローテンブルク・オプ・デア・タウバーで、タウバー川を望む丘の上のローテンブルクという意味があります。本記事ではローテンブルクを何度も訪れた筆者がおすすめのスポットをご紹介します。

目次

日本からローテンブルクへのアクセスは?

立派な門の中が旧市街
立派な門の中が旧市街

日本からドイツへは、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフの3都市に直行便が運航しています。ローテブルクへはフランクフルトまたはミュンヘンから電車で約3時間で、どちらも2~3回の乗り換えあり。ちょっと乗り換えに自信がないという方は、フランクフルトまたはミュンヘンからの日帰り観光ツアーがおすすめ。4月から10月までの期間中、ロマンチック街道上の各都市を巡回するバスが運行しています。ただし日帰りの場合、ローテンブルクでの滞在時間は3時間程度になります。筆者のおすすめはローテンブルクでの宿泊。こういう小さな街こそ、駆け足ではなく一泊して夜の散歩、朝の散歩を楽しむのがおすすめ。料金は高くなりますが、せっかくならば城壁内のホテルに泊まって中世の雰囲気を味わいましょう。

ローテンブルクの歴史を知ろう

ゲオルグの噴水
ゲオルグの噴水

ローテンブルクの起源は10世紀頃、地方貴族のローテンブルク公が建てたお城を中心に城下町として始まりました。その後神聖ローマ帝国の影響下におかれ、商人の町として発展します。帝国自由都市として認められたローテンブルクは、14世紀には2万人近い人々が暮らし繁栄していました。ところが17世紀の30年戦争と呼ばれるカトリックとプロテスタントの争いで、カトリック勢力に占領されると多くの人が逃げ出し、その後のペストの流行もあり、町は徐々に衰退します。また、第2次世界大戦では町の40%が焼失してしまいました。ただ、40%で済んだのは主要都市から離れた僻地だった事が幸いしたと言われています。現在は修復、再建され中世の街並みを残す観光地として、世界中から多くの人々が訪れるようになりました。

まずは城壁をぐるっと歩いてみよう

街を取り囲む城壁
街を取り囲む城壁

ローテンブルクの旧市街は石造りの城壁で囲まれています。14世紀に造られたこの城壁の総長は約2.5㎞、ぐるっとお散歩する事ができます。街のあちこちに登り降りができる階段が設けられているので、ちょっとだけ歩いてみるのも可能。人がやっとすれ違えるほどの狭さなのと、急な石段もあるので注意して歩きましょう。回廊には屋根がかけられていて雰囲気抜群。市壁の壁にはローテンブルクに寄付をした個人や団体名の入ったプレートがかけられており、日本人個人や、ヤンマーや資生堂、京王百貨店といった日本企業のプレートも。城壁からは目の高さに民家の屋根が見えて、特別な雰囲気が楽しめます。城壁は無料、数か所ある塔の上は有料です。

ローテンブルクの中心マルクト広場

存在感のあるローテンブルク市庁舎
存在感のあるローテンブルク市庁舎

ローテンブルクの中心となるのがマルクト広場。広場には市庁舎と仕掛け時計で知られる、市参事会酒宴館(現観光案内所)があります。仕掛け時計は朝10時から夜10時まで、毎時0分にスタートします。あっという間に終わってしまうので時間前には待機しておきましょう。筆者のおすすめは、市庁舎の塔からの景色。市庁舎の60mの塔にはエレベーターは無く、220段の階段を登るしかありませんが、上からの景色はまさに絶景。眼下にはローテンブルクのおもちゃのような街並みが広がり、目を外に向けると美しいタウバー谷の景色が楽しめます。少し混んでいても待つ価値ありの景色なのでぜひ!

聖ヤコブ教会

聖ヤコブ教会
聖血の祭壇

14世紀から15世紀にかけて建造された聖ヤコブ教会は、ローテンブルク最大の教会です。もとはカトリック教会として建てられましたが、宗教改革後の1544年にプロテスタント教会に改宗されています。そのため、内部はシンプルで、カトリック教会のような華美さはありませんが、高い天井、窓から光がたっぷり入り、荘厳さを感じる事ができます。見所は偉大な彫刻家として知られるティルマン・リーメンシュナイダーの作品「聖血祭壇」。菩薩樹で作られた高さ10メートルの祭壇は、中央に最後の晩餐を立体的に形どられ、祭壇の扉左側にイエスのエルサレム入城、右側にオリーブ山でのイエスの祈りを表現した浮き彫りが施されています。十字軍が聖地エルサレムから持ち帰ったとされるキリストの聖血3滴が祭壇上部にはめこまれたクリスタルにおさめられており、ひとめ見たいという信者が、ドイツ国内はもちろん、世界中から訪れます。

ローテンブルクを代表する景色プレーンライン

プレーンライン
ローテンブルクを代表する景色

マルクト広場から徒歩3分、ローテンブルクと言えばこの風景「プレーンライン」。ウンテレ・シュミード通りとノイ通りが交差する分岐点で、かつての監視塔ジーバーストゥルムが目印です。二股に分かれた坂道の中央に木組みの家が建ち、なんともフォトジェニック。ローテンブルクで1番可愛らしい場所として知られ、多くの人が写真を撮りに訪れます。プレーンライン周辺は、昔ながらの木骨組の建物が並び、注目すべきは精巧に造られたお店の鉄製看板。その昔、文字が読めない人でも何のお店か分かるようにデザインされたのがスタートで、新しいお店でも景観を損ねないように中世風の看板が掲げられています。

ローテンブルクでおすすめのお土産

ローテンブルク名物シュネーバル
ローテンブルク名物シュネーバル

ローテンブルクの街を歩いていると見かけるのが、お菓子屋さんの店頭にディスプレイされたシュネーバル。雪玉という意味で細いクッキー生地を丸めて揚げたもので、サクサクとした食感が特徴。おにぎりサイズで定番の粉砂糖からチョコレート、シナモンなど種類も豊富です。賞味期限が2か月あるので、お土産にいかがですか?ドイツと言えばクリスマスマーケットが有名ですが、ローテンブルクにはクリスマス用品の専門店「ケーテ・ウォルファルト」があり、店内に入ると、絵本の中に入り込んだような世界観が楽しめます。お土産にぴったりな小物もたくさんあり、自分用に何か買いたくなる事間違いなし。またドイツ最大のテディベア専門店「テディショップ」では、300社から集めた5000種類のテディベアグッズが並び、一見の価値ありです。

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