キューバの首都ハバナの代表的な観光名所、革命広場
キューバと聞いて思い浮かぶ人物は誰でしょうか?多くの人が、あの有名な革命家「チェ・ゲバラ」の名を挙げるのではないでしょうか。彼は今もなおキューバの人々に深く敬愛され、街の土産物屋では「チェ・ゲバラ」の顔が描かれたTシャツなどのグッズが数多く並んでいます。私もハバナを訪れた際、自分用にチェ・ゲバラのマグネットを購入したのを覚えています。そんな革命家たちの姿を今に伝える場所が、今回ご紹介する「革命広場」です。
チェ・ゲバラが描かれた内務省ビル

キューバの首都ハバナの革命広場でひときわ目を引くのが、チェ・ゲバラの巨大な鉄製レリーフが掲げられた「内務省ビル」です。「Hasta la victoria siempre(最後まで勝利を)」の文字とともに描かれるチェ・ゲバラは、キューバ革命を象徴する存在です。チェ・ゲバラは、アルゼンチン出身の医師でありましたが、フィデル・カストロとともにゲリラ闘争を繰り広げ、1959年の革命成功に大きく貢献しました。その後は政府高官として教育・経済改革に携わるも、国際的な革命支援活動のためボリビアへ赴き、1967年に命を落としました。革命精神の体現者ともいえる彼の姿が掲げられたこのビルは、多くの観光客が足を止め、記念撮影をする定番スポットとなっています。
カミーロ・シエンフエゴスが描かれた通信省ビル

革命広場に面するもう一つの注目すべき建物が、通信省ビルです。このビルの壁面には、カミーロ・シエンフエゴスの鉄製レリーフが掲げられています。カミーロはフィデル・カストロとともにキューバ革命を戦った最重要指導者のひとりで、特に民衆に親しまれたカリスマ的存在でした。革命後は軍の指導者として秩序回復に尽力しましたが、1959年に乗っていた飛行機が消息を絶ち、帰らぬ人となりました。今もなお謎に包まれたその死は、多くのキューバ人の心に深い爪痕を残しています。鉄製レリーフには、「Vas bien, Fidel(うまくやっているよ、フィデル)」と描かれています。
ハバナの街を一望できるホセ・マルティ記念博物館

革命広場の中心にそびえるのが「ホセ・マルティ記念博物館」です。高さ109メートルの塔は、キューバで最も高い記念碑であり、キューバ独立運動の英雄ホセ・マルティに捧げられています。マルティは19世紀後半、スペインからの独立を求める革命思想家・詩人・ジャーナリストとして活躍し、その言葉と行動で後のキューバ革命の精神的礎を築きました。彼の死後も、その思想はカストロやゲバラらの世代に引き継がれています。博物館内部にはマルティの著作、手紙、私物などが展示されており、最上階からはハバナの街を一望できます。
【ホセ・マルティ記念博物館】※2025年12月更新
●住所:Plaza de la Revolución, Vedado, La Habana, Cuba
●アクセス:Parque Central(ハバナ中心部)から車で約20分
●営業時間:9時30分~16時※日曜休み
革命博物館の近くのビルに描かれた3人の英雄

ハバナの革命広場と似たようなかたちで革命の英雄がデザインされたビルが、革命博物館の近くの3月13日広場に建てられています。ここで描かれている3人は、左からキューバ共産党の前身組織の創設者フリオ・アントニオ・メラ、カミーロ・シエンフエゴスと、チェ・ゲバラです。このような肖像は、フリオ・アントニオ・メラが「勉強」、カミーロ・シエンフエゴスが「仕事」、チェ・ゲバラが「銃」を表現し、革命を支える若者が、学問を修め、労働に励み、そして必要とあれば武器を取って祖国を守るという、キューバ革命の理想的な姿を視覚化したもののようです。
ハバナ観光の名物、クラシックカー

ハバナの街を歩くと、アメリカ製クラシックカーが数多く走っているのが目に留まります。1950年代製の車が今も現役で使われ、タクシーとして利用されているのがキューバならではの光景です。革命広場や旧市街など、観光名所の周辺には特に見栄えのするオープンカーや美しく塗装されたクラシックカーが並ぶ専用のタクシー乗り場があり、観光客に人気の撮影スポットにもなっています。私は一人旅だったため乗車はしませんでしたが、複数人での旅行なら、オープンカーでハバナの街を巡るのも良い思い出になると思います。タクシーではありますが、移動というよりは市内観光なので、通常よりもかなり割高のようです。

