オランダで風車を見るならキンデルダイクへ
オランダといえば「風車」とイメージする方は非常に多いのではないのでしょうか?確かに、風車はオランダを代表するものの一つですが、街を歩いていればいたる所にある訳ではありません。オランダで風車を見たいという方は、ロッテルダムから10キロ程の距離にあるキンデルダイクへ是非、行ってみてください。ロッテルダム中央駅からのトラムと水上バスを使わなければいけないというアクセス方法はやや不便ですが、世界文化遺産にも登録されている、これぞオランダという景色は必見です。時間が無い方や行き方が不安な方はタクシーを使ってみてください。私は、時間がなかったのでタクシーを利用しました。
なぜ、オランダに風車が必要なのか
風車というと今では風力発電を想像する方も多いかもしれませんが、数多くの風車が造られた当時のオランダでの風車の使い道は異なります。オランダは、水深の浅い海や湖に繋がる河口部などに堤防を築き、干潮時に水を排水する干拓によって国土を広げてきました。国土の約25%が海抜0m地帯のオランダは、運河よりも低い所に地面がある地域が多いため、運河に水を排水しなければ国土が沈んでしまいます。地面よりも高い運河へ排水を行うためには水を汲み上げる必要があり、そのために風車が使われています。
干拓地には欠かせなかった木靴
オランダのお土産として有名なものの一つに木靴があります。今では、木靴を履いている人を街中で見かけることはありませんが、干拓によって国土を広げた歴史を持つオランダは、低湿地帯で湿った土や砂を多く含む地面が多いため、木靴が重宝されていました。キンデルダイクの風車にも、木靴が置かれていました。木靴は、農業や漁業に従事される方の一部や、庭仕事の時などでは現在も利用されているようです。
博物館になっている風車もある
キンデルダイクの風車は現在も稼働をしていて、2つの風車は中を見学することもできます。中は博物館になっていて、数十年前の当時の写真や椅子やベッドなどの家具やタオルなどの日常の生活用品などが飾っています。見学の際に階段で上まで昇って行くと風車がどのように動くのかを内部から見ることができます。
キンデルダイクならオランダらしい景色を見れる
キンデルダイクの風車は、1740年頃に大がかりな治水体系の一部として建設されました。風車の羽は、1枚が14メートルもある巨大なもので風向きによって羽の方向を変えるために、屋根ごと回転できるようになっています。水面の高さを維持するために、毎分1万リットルもの水が排水できます。
キンデルダイクには、19基の風車があります。歩いて一つ一つの風車を見て回るのもハイキング気分で楽しいですが、自転車をレンタルすることもできます。風車の役割は排水だけではなく、製粉や油絞り、脱穀などにも利用されていました。
【キンデルダイク 基本情報】 ■住所:Nederwaard 1,2961AS Kinderdijk, オランダ ■電話:+31 786912830 ■アクセス:ロッテルダム中央駅からトラムと水上バスで50分程。ロッテルダム中央駅からトラム(7番) で終点のWillemspleinまで行き、Erasmusbrug水上バス乗り場までは徒歩で行き、20・21番の Waterbus Ferryへ。ロッテルダム中央駅からタクシーも出ています。 ■営業時間:9時~17時30分 ■公式サイト:https://www.kinderdijk.nl/ チケットの予約もできます