魅力的なスポットが満載、ポルトガルの首都リスボンのおすすめ観光地

ポルトガルの首都リスボンで有名な観光スポットといえば、世界遺産にも登録されているジェロニモス修道院が挙げられますが、それ以外にも魅力的な見どころが数多く存在します。歴史とモダンが調和した街並みには、異国情緒あふれる建築やアズレージョ(装飾タイル)、郷土料理など、訪れる人を飽きさせない魅力が詰まっています。リスボンは「七つの丘の都」という別名を持ち、丘の上からの景色も美しく、街歩き自体が旅の楽しみの一つです。歩くたびに表情を変える風景に出会えるリスボンは、観光にも散策にもぴったりの都市です。
約1世紀の歳月を費やして完成したジェロニモス修道院

ポルトガルは、1543年に日本に海を越えてやってきた大航海時代(15世紀中頃~17世紀中頃)にスペインとともに発展した国です。ジェロニモス修道院は、航海の安全の祈願とエンリケ航海王子、ヴァスコ・ダ・ガマの偉業を称えるために、1502年にマヌエル1世によって着工された教会で、完成までに1世紀程の歳月が費やされました。リスボンのベレン地区に位置するこの修道院は、マヌエル様式を代表する建築物の一つとして知られており、外観の装飾は細部まで極めて繊細です。内部にも豪華な彫刻が施されており、ポルトガルの大航海時代の栄華を象徴するような壮麗で大規模な建築となっています。世界遺産にも登録されており、観光地としても非常に人気があります。私がポルトガルに行った時には行列ができる場所は特になかったですが、ジェロニモス修道院は観光客で長蛇の列を作っていました。
【ジェロニモス修道院】
住所:Praça do Império, 1400-206 Lisboa, Portugal
アクセス:カスカイス線「Belém」駅で下車。駅から徒歩約5分。
営業時間:10時〜17時30分(最終入場は17時)※10月~4月
10時〜18時30分(最終入場は18時)※5月~9月
公式サイト:www.museusemonumentos.pt/
※WEB予約がおすすめ
テージョ川沿いにそびえる発見のモニュメント

発見のモニュメントは、エンリケ航海王子の500回忌を記念して1960年に造られました。一番先頭に立っているのがエンリケ航海王子で、2番目はアフリカ・ポルトガル帝国を形成したアルフォンソ5世、3番目はインド航路を開拓したヴァスコ・ダ・ガマです。船乗りや天文学者、地理学者、宣教師など、大航海時代を象徴する33人の人物が称えられています。その中には、1549年にキリスト教を布教するために日本に来た宣教師フランシスコ・ザビエルの姿も描かれており、ポルトガルと日本の歴史的なつながりを感じさせてくれます。全体が船の帆を模したデザインになっており、テージョ川の河口に堂々と立つその姿は、遠くからでも目を引きます。内部には展望台もあり、リスボンの街並みと海の景色を一望できます。
リスボンのもう一つの世界遺産、ベレンの塔

ジェロニモス修道院とともに世界遺産として登録されているのが1520年に完成したベレンの塔です。発見のモニュメントのすぐ近くにあり、同じようにテージョ川沿いに堂々と建っています。元々は、テージョ川を航行する船の監視や要塞として造られましたが、税関や灯台としても使われました。1階は司令官の間、2階は国王の間、3階は謁見の間、4階は礼拝堂になっています。ジェロニモス修道院との共通チケットで中を見学することもできます。ジェロニモス修道院、発見のモニュメント、ベレンの塔は全て徒歩圏内にあるため、まとめて観光をすることをおすすめします。
エッフェルの弟子によって造られたサンタ・ジュスタのエレベーター

フランスのエッフェル塔の設計および建設を手がけたギュスターヴ・エッフェルの弟子である建築家によって、20世紀初期に造られたのがサンタ・ジュスタのエレベーターです。リスボンは坂が多く高低差が大きい地形のため、川沿いの低地と丘陵地を効率よく結ぶために建設されました。エレベーターの高さは45mで、ネオゴシック様式の鉄製タワーと頂上に設置された展望台、さらにエレベーターにアクセスするための歩道橋が特徴です。精緻な鉄の装飾が施された外観は、機能性と美しさを兼ね備えた芸術作品とも言える存在です。頂上の展望台からはリスボンの街並みやサン・ジョルジェ城、テージョ川の雄大な景色を一望でき、その眺望は訪れる人々に深い感動を与えます。昼夜問わず人気の観光スポットで、夜景もまた格別です。
【サンタ・ジュスタのエレベーター】
住所:Rua de Santa Justa, 1150-060 Lisboa
営業時間:7時~23時※5月~10月、7時~22時※11月~4月
ローマ人によって要塞として建設されたサン・ジョルジェ城

サン・ジョルジェ城は、数百年に渡って様々な支配者が居住してきた歴史ある城ですが、その起源は紀元前、ユリウス・カエサルの時代にまで遡ります。元々は要塞として建設され、戦略的に重要な役割を果たしてきました。現在でもその名残として、城壁の周囲にはかつて使用されていた大砲が並び、往時の雰囲気を感じさせてくれます。現在は整備されて公園として一般公開されており、リスボン市民や観光客の憩いの場となっています。城は高台に位置しているため、展望台からの眺めはまさに絶景。テージョ川や赤い屋根の旧市街を一望できます。特におすすめなのは、夕暮れの1時間ほど前に訪れて城内を見学し、その後、沈みゆく太陽と共にリスボンの街がオレンジ色に染まる様子をゆっくり眺めること。時間を忘れるような美しい瞬間が待っています。
【サン・ジョルジェ城】
住所:Rua de Santa Cruz do Castelo, 1100-129 Lisboa
アクセス:トラム28番線「Miradouro Santa Luzia」から徒歩約5分
営業時間:9時〜21時(最終入場 20時30分)※3月~10月
9時〜18時(最終入場 17時30分)※11月~2月