メキシコの首都「メキシコシティ」の観光スポット

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ラテンアメリカの経済の中心であり、メキシコの文化、学問、政治の中心地でもある首都「メキシコシティ」で、訪れたら外せないおすすめの観光スポットをご紹介します。メキシコシティは、古代アステカ文明の遺跡と、スペイン統治時代のヨーロッパ風のコロニアル建築が融合した街で、その歴史と多様性に満ちた景観は歩いているだけでも興味が尽きません。また「メキシコシティ歴史地区とソチミルコ」としてユネスコ世界遺産にも登録されており、都市全体が文化遺産の宝庫といえる存在です。近代的なビル群と石畳の旧市街が隣り合い、過去と現在が共存する魅力的な都市空間が広がっています。

目次

カラフルな小舟「トラヒネラ」が彩るソチミルコ

ソチミルコ
ソチミルコ(photo by 写真AC)

メキシコシティの中心部から南に約30kmの所に位置し、カラフルな小舟「トラヒネラ」が目を引くのが、かつてのアステカ民族の湖上都市「ソチミルコ」です。「ソチミルコ」とは、アステカの言葉であるナワトル語で「花畑のあるところ」を意味しています。現在でも水路が張り巡らされた風景が残されていて、週末には地元の家族連れや観光客でにぎわいます。ソチミルコは、アステカ時代から続く水路と伝統農法チナンパが評価されたため、1987年にメキシコシティの歴史地区とともにユネスコ世界文化遺産に登録されました。カラフルなトラヒネラに乗ってマリアッチの演奏を聴きながら運河を進む体験は、他では味わえないメキシコならではの楽しみ方です。手漕ぎの船上では食事や飲み物も楽しめ、まるで水上のパーティーのような雰囲気に包まれます。

アメリカ大陸で最大級のキリスト教建造物メトロポリタン大聖堂

メトロポリタン大聖堂
メトロポリタン大聖堂(photo by 写真AC)

メキシコシティのメトロポリタン大聖堂は1525年に建設されましたが、当初は木造に草葺き屋根の質素な造りでした。しかし、新大陸の中心としてふさわしいより豪華で荘厳な大聖堂にする必要があるとの声が高まったことから、1563年に古い建物を取り壊し、新たな大聖堂の建設が開始されました。工事は長期間にわたり、完成までに実に250年を要しました。そのため、建物にはゴシック、ルネサンス、バロック、新古典主義など複数の建築様式が混在し、建築史的にも非常に貴重な存在となっています。大聖堂はメキシコ最大級のカトリック教会であり、歴史的・文化的なランドマークとして多くの人々に親しまれています。内部には豪華な装飾が施された礼拝堂や美しい祭壇もあり、訪れる人々を圧倒する荘厳な空間が広がっています。

【メトロポリタン大聖堂】※2025年10月更新

住所:Plaza de la Constitución S/N, Centro Histórico, Cuauhtémoc, 06000 Ciudad de México

アクセス:地下鉄2号線Zócalo/Tenochtitlan駅で下車。駅から徒歩数分

営業時間:10時~18時

WEBサイト:https://catedralmetropolitana.mx/

アステカ帝国を代表する遺跡「テンプロマヨール」

メキシコシティのテンプロマヨール遺跡
テンプロマヨール遺跡(photo by 写真AC)

アステカ帝国の代表的な遺跡であるテンプロマヨール遺跡が発見されたのは1978年のことで、考古学的には比較的最近の発見のようです。メキシコシティの中心部で工事を行っていた電力会社の作業員が、地下部分でレリーフが施された石を偶然発見したことがきっかけでした。その後に本格的な地下調査が行われ、大規模なアステカ時代の神殿遺跡が埋もれていたことが確認され、国内外に大きな驚きを与えました。遺跡のすぐ隣には博物館が併設され、発掘調査によって見つかった神像、装飾品、生活用品など多岐にわたる貴重な出土品が展示されています。とても充実した展示内容で、アステカの宗教観や当時の都市構造について深く学ぶことができます。

【テンプロマヨール博物館】※2025年10月更新

住所:Seminario 8, Centro Histórico de la Cdad. de México

アクセス:地下鉄2番線の Zócalo(ソカロ)駅から徒歩

営業時間:9時~17時※月曜休み

WEBサイト:www.templomayor.inah.gob.mx/

世界遺産、テオティワカン

メキシコシティのテオティワカン
テオティワカン(photo by 写真AC)

テオティワカンは、メキシコシティから北東に40km、バスで約1時間程のところにあり、1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。テオティワカン文明は、紀元前2世紀からメキシコ高原で繁栄して4〜6世紀頃に最盛期をむかえた高度な都市文明でしたが、7世紀頃に突然滅亡してしまいました。滅亡の理由としては、北方民族の襲来や火山の噴火、内部抗争などさまざまな説があるものの、はっきりとした原因はいまだに解明されていません。この遺跡群には、太陽のピラミッド、月のピラミッド、死者の道といった象徴的な建造物が残されており、当時から高度な石造建築技術と都市計画の存在がうかがえます。特に太陽のピラミッドは現地でも最も大きく、頂上からの眺めは壮観です。テオティワカンは非常に広大な遺跡で、全体を徒歩で巡るには2~3時間ほどの時間を確保するのがおすすめです。日差しが強い日も多いので、帽子や水分の用意も忘れずに。

【テオティワカン】※2025年10月更新

住所:Carretera Ecatepec-Pirámides Km 22, 55800 Teotihuacán de Arista, Estado de México

アクセス:メキシコシティの北バスターミナルから「Piramides」行きのバスに乗車し、終点で下車。約1時間程。

営業時間:8時〜17時(最終入場は16時30分)

新聖堂と旧聖堂が隣接するグアダルーペ寺院

グアダルーペ寺院の旧聖堂
旧聖堂(photo by 写真AC)

グアダルーペ寺院は、メキシコシティ北部テペヤックの丘に建つ歴史的な聖域で、1531年に先住民フアン・ディエゴの前に聖母マリアが現れたという「グアダルーペの奇跡」の伝承で知られています。1709年にこの場所に壮麗なバロック様式の旧聖堂が完成しましたが、地盤沈下により傾きが進行したため、1976年には直ぐ近くに近代的な新聖堂が建てられました。

新聖堂
新聖堂(photo by 写真AC)

カトリック教会もグアダルーペの聖母への信心を認めていて、現在も新旧の聖堂は世界中から訪れる巡礼者や観光客で賑わっています。新聖堂は、最大で1万人以上を収容できる近代的な円形の建築で、どの場所からでも中央の祭壇が見渡せるように設計されています。内部には奇跡の証とされる「聖母のティルマ(マント)」が掲げられ、動く歩道に乗って間近に拝観できる仕組みが整えられています。外観はシンプルながらも堂々とした存在感があります。

【グアダルーペ寺院】※2025年10月更新

住所:Plaza de las Américas 1, Colonia Villa de Guadalupe, Alcaldía Gustavo A. Madero, C.P. 07050, Ciudad de México

アクセス:地下鉄6号BASILICA駅から徒歩約3分

営業時間:6~21時

WEBサイト:https://virgendeguadalupe.org.mx/

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