中世ヨーロッパの面影漂うマルタ共和国

マルタ共和国の記事

地中海に浮かぶ島国マルタ共和国は、マルタ島・ゴゾ島・コミノ島から成り立っています。その大きさは淡路島の半分程ですが、セレブも多く訪れるヨーロッパ有数のリゾート地です。近年は、英語留学におすすめの場所としても知名度を上げてきていますね。世界遺産に登録されている首都のヴァレッタ(バレッタ)をはじめ、中世の歴史が感じられる古都イムディーナ、高い透明度を誇る美しい海ブルーラグーンなど、小さなマルタには大きな魅力が詰まっています。

目次

世界遺産の美しい要塞都市ヴァレッタ

マルタ島のヴァレッタ

マルタの首都であり経済・流行の中心地であるヴァレッタ。当時キリスト教勢力としてイスラム教勢力(オスマントルコ)と対立していた聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の貢献によって作られ、街の名前は騎士団団長であるジャン・パリゾ・ド・ラ・ヴァレットにちなんで付けられました。また、敵からの攻撃を想定して設計・建設されたヴァレッタは街全体が要塞となっています。現地のハーバークルーズを利用すれば城壁や砦を見ることができ、城壁都市としてのヴァレッタをより楽しめますよ。 建設当時の面影を色濃く残すヴァレッタの類まれなる存在が認められ、1980年には世界遺産(文化遺産)として登録されています。通称「マルタストーン」と呼ばれているはちみつ色をした石灰岩で作られているヴァレッタの建築物はどれも美しく、歩くだけで中世ヨーロッパの雰囲気をリアルに体感することができますよ。フォトジェニックな場所が沢山あるので、ヴァレッタを訪れた際は是非街歩きを楽しんでくださいね。

騎士たちが眠る豪華絢爛な聖ヨハネ大聖堂

マルタ島の聖ヨハネ大聖堂
聖ヨハネ大聖堂

1577年に作られた聖ヨハネ大聖堂は、ヴァレッタを建設した聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)によって作られました。騎士団は出身地域で分けられた8つのグループ(プロヴァンス・フランス・オーヴェルニュ・イタリア・アラゴン・イングランド・ドイツ・カスティーリャ)で構成されており、聖ヨハネ大聖堂にはグループごとの礼拝堂が備えられています。 内部には豪華な装飾やモザイク画が施されていますが、注目したいのは大理石で覆われている床です。約400枚ほど敷かれている床の1枚1枚が騎士たちの墓石になっており、そこにはラテン語で勝利や名声、死に関するメッセージが刻まれています。どれも違ったデザインが施されているので、じっくり見てみるのも良いでしょう。 大聖堂には美術館も併設されており、そこでは16世紀イタリアを代表する画家カラヴァッジョの作品を見ることができますよ。また、大聖堂にはヒールのある靴や肌を露出した格好での入場はできないため、訪れる際は予め服装をチェックしておくのがおすすめです。

中世好きならたまらない騎士団長の宮殿

マルタ島の騎士団長の宮殿の写真1

騎士団長の宮殿は、聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)がヴァレッタに建設した最古の建築物としても知られています。現在は大統領府や政府機関として使用されていますが、建物内部の一部を見学することができますよ。

マルタ島の騎士団長の宮殿の写真2

1565年にあったオスマントルコ軍との戦いであるグレートシージ(大包囲戦)が描かれた欄間絵をはじめ、18世紀バロック様式の天井画、実際に使用された甲冑や剣、大砲などが展示された武器庫など見どころが満載なのが特徴。武器庫には、ヴァレッタの建設に貢献した、ジャン・パリゾ・ド・ラ・ヴァレットが実際に着用していた甲冑も展示されています。廊下にも一定の間隔で甲冑が並べられていますが、それらも本物です。中世ヨーロッパ好きは勿論ですが、マルタの歴史を感じたい人は必見ですよ。

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