スイスの首都・ベルンは「中立」な街!
スイス中西部にあるアーレ川に囲まれた緑豊かな街ベルン。「ヨーロッパで最も美しい緑と花の街」と呼ばれ、ユネスコ世界文化遺産に登録されているベルン旧市街では中世ヨーロッパの街並みを体感することができます。そんなスイスの首都・ベルンの隠れた魅力や旧市街の歴史、スイスの首都たる所以について触れていこうと思います!
「ベルン」は実はスイスの首都なんです!
スイスの首都をチューリッヒまたはジュネーヴだと思っている方は意外と少なくありません。スイスにおいてチューリッヒやジュネーヴは人口第1位・2位の2大都市ですが、実は首都はそのどちらでもなく、スイス5大都市といわれるチューリッヒ、ジュネーヴ、バーゼル、ローザンヌ、ベルンの中でも最も人口の少ないベルンがスイスの首都に選ばれたのです。街が近隣諸国から離れた場所に位置していて安全であること、国家機能が大都市に集中しないようにチューリッヒとジュネーヴどちらもに近い場所に分散させたかったこと、国民の多くが使用するフランス語のエリアとドイツ語のエリアのちょうど境目であったことがベルンが首都に選ばれた主な理由だそうで、永世中立国であるスイスの最も「中立」な場所がベルンだったのです!
世界文化遺産ベルン旧市街
スイスは公用語が4か国語あることからもわかるとおり、周辺の異なる言語をもつ人々の同盟から成った国で各エリアの文化が絶妙に交ざり合った国です。その歴史はベルン旧市街の成り立ちにも関係していて、当時の領主が周辺の森を切り開き街を建設した際に最初に仕留めた獲物が熊だったことからドイツの古語で「熊」を意味する「Bern(ベルン)」が街の名前に。その影響から熊が街の紋章に採用され、アーレ川の向こう側に本物の熊がいる熊公園もあります!ベルン旧市街建設当時、木材建築が多かったことから1405年の大火後にそのほとんどが焼けてしまいましたが、のちに美しく再建され、総延長6kmを超えるアーケードがショッピング街として現在もベルンに欠かせない存在になっています。
旧市街の歴史を見守り続ける時計塔
ベルン旧市街のランドマークのひとつと言われているこの時計塔は16世紀から現在に至るまで動き続けるベルンの街を見守る歴史ある時計です!1時間に1度鐘の音とともに動き出す人形仕掛けにはベルンの象徴である熊が兵隊の格好をして登場するなどなんとも可愛らしい仕掛けで住民だけでなく多くの観光客を魅了し続けています。スイスは欧州で最初に時計を使い始めた国と言われている事を考えると、16世紀から長期にわたってメンテナンスが続けられ、動き続けるこの時計にはスイスの時計に対する愛情や技術への誇りが現れているようにも思えますね!みなさんもぜひ、毎時0分にだけ動き出す可愛い人形仕掛けを見に行ってみてくださいね!
ベルン(スイス)のお菓子
ベルンのメインストリートにあるほとんどのカフェで販売されていた手のひらサイズの大きいクッキー「シュピッツブーベン」はベルン旧市街の名付けにも登場したドイツ語で「いたずらっ子」を意味していてジャムの部分がいたずらをしている子供のように見えることからこの名が付けられたと言われています。スイス定番のクッキーで主にクリスマスシーズンの家族団欒の時にみんなで食べる人気のおやつ!伝統のレシピだとラズベリージャムが使用されているのですが現在は多種多様な果物のジャムが使われているそうです。しかしながらシュピッツブーベンがドイツ語だということからこのクッキーの起源はドイツにあるという説もあり、その真実は未だはっきりしていないそうです!
スイスの首都ベルンの記事のまとめ
いかがでしたでしょうか?ベルンがあらゆる面で「中立」であったからこそ、この多民族国家・永世中立国であるスイスを代表する首都になったということがわかりましたでしょうか?街の約30パーセントは森林や緑で構成されている自然と都会・歴史と現代が絶妙に交わるこの不思議な魅力を持つベルンでぜひ五感を刺激するような時間をたっぷり過ごしてくださいね!