ソウル古宮唯一の世界遺産「昌徳宮」の美しさの秘密

韓国ソウルの世界遺産の昌徳宮

ソウルの歴史的な観光名所と言えば何を思い浮かべますか?景福宮(キョンボックン)のような華麗な宮殿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。今回はソウルで最も美しい宮殿として知られる「昌徳宮(チャンドックン)」の魅力を紹介します!ソウルには景福宮、昌徳宮を始め、5つの宮殿があります。昌徳宮はその中でも特に保存状態が良く、当時の趣を残しているとして唯一世界遺産に登録されています。また、『赤い袖先』や『チャングムの誓い』を始め、人気時代劇のロケ地としても知られています。朝鮮時代の王が最も愛したと言われる昌徳宮。美しさの秘密を解説します。

目次

自然と建築が調和した宮殿

ソウルの宮殿

昌徳宮の特徴として挙げられるのが、自然の地形をそのまま活かして造られたという点。森が宮殿全体の半分以上の面積を占めています。景福宮と比べると、山林が多い分、広い平地が少ないことも特徴の一つです。元々景福宮の離宮として建てられたのが昌徳宮です。1592年、豊臣秀吉の朝鮮出兵によって2つの宮殿とも焼失すると、昌徳宮だけがすぐに再建されました。1610年の再建後、約260年間王が生活し政治を行った昌徳宮。歴代の王が愛した美しい建物、自然景観が当時に近い形で残っています。

迫力満点の正殿「仁政殿」

正殿「仁政殿」
正殿「仁政殿」

宮殿の中心に位置する大きな建物が正殿「仁政殿」です。国宝の仁政殿では王の即位式、外国からの使者の接見など重要行事が行われました。私も仁政殿に訪れて、その迫力と装飾の美しさに感動し色々な位置、色々な角度で何枚も写真を撮ってしまいました。さてここで韓国の宮殿の正殿を訪れた際、知っていると役に立つ知識を紹介します。上の写真を見てください。正殿に向かって伸びる道の真ん中が高くなっているのに気づきませんか?高い部分は「御道」と呼ばれ、王だけが通ることのできる道なんです。そして正殿側から見て右側を文官、左側を武官が通っていました。正殿を訪れた際は、真ん中を通って王の気持ちを味わうもよし、臣下になった気分で左右を通るのも良いですね!

まるで迷路のような韓国宮殿

迷路のような韓国宮殿

正殿の仁政殿の周りには役所や王の寝殿など、それぞれ異なる役割を持った建物が並んでいます。上の写真のように、韓国の宮殿では建物が密集し、道が複雑に入り組んでいます。昌徳宮を見学しながら、今どの辺りにいるのか分からなくなってしまいそうでした。また、昌徳宮を始め韓国の宮殿の建物は日本の城と異なり、一つ一つが低く横に広がっています。実はこれは韓国伝統の暖房装置のオンドルと関係があります。オンドルは建物の床下から暖める仕組みのため、建物が高いと上まで暖気が届かなくなってしまうのです。オンドルが建物の高さに影響しているのは意外ですが、聞けば納得な理由ですね。

ドラマのロケ地としても有名な美しい庭園「後苑」

昌徳宮の庭園「後苑」

昌徳宮の美しさをまさに象徴しているのが、宮殿内に造られた庭園「後苑」です。昌徳宮全体の6割程度を占める広大な庭園で、自然と建物が調和した美しく独特な光景が見られます。上の写真は後苑で最も有名な「芙蓉池(プヨンジ)」。池と楼閣の美しさはもちろん、ドラマ『赤い袖先』や『チャングムの誓い』のロケ地としても知られています。『赤い袖先』で主人公サンと祖父英祖が釣りをしたのはこの芙蓉池です。ちなみに後苑は別でチケットを購入し、ガイドスタッフに従っての見学になります。日本語ガイドは週3回、1日1回の開催なので、観光に来る際はお早めのチケットの予約をおすすめします。

ソウル古宮唯一の世界遺産「昌徳宮」まとめ

昌徳宮の建物内
仁政殿の中にある、王が座るための椅子

ソウルで最も美しい宮殿「昌徳宮」の魅力を紹介しました。広大な自然が残っている昌徳宮は、ソウル中心部から近く観光に便利な場所に位置しています。昌徳宮を観光しながら、大都会、自然、そして歴史が共存するソウルの魅力を存分に感じてみてください。

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