人生で一度は行きたい観光名所の代表格 ピラミッド

エジプトの世界遺産ピラミッド

人生で一度は行ってみたいという観光名所は、ペルーのマチュピチュやスペインのサグラダ・ファミリア等の有名な場所が数々ありますが、それらの中でも代表的な観光スポットの一つがエジプトのピラミッドではないでしょうか?今回は、考古学や歴史の観点からも興味深いピラミッドについてご紹介します。私の場合、世界ふしぎ発見をテレビで見ていたのでピラミッドと言えばエジプトの考古学の世界でも代表的な研究者の吉村作治さんを思い出しますが、同じような方も多いかと思います。エジプトのギザのピラミッドは、メンフィスとその墓地遺跡として世界遺産に登録されています。

目次

三大ピラミッドの代表格「クフ王のピラミッド」

クフ王のピラミッド
クフ王のピラミッド(photo by 写真AC)

エジプトを代表する三大ピラミッドは、首都カイロの中心部から15キロほど離れたギザの地にそびえ立っています。ギザの三大ピラミッドとは、クフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッド、メンカウラー王のピラミッドを指します。その中でも最大のクフ王のピラミッドは、完成時、底辺230メートル、高さ147メートルを誇りました。現在はやや低くなっていますが、三大ピラミッドの中で一番の大きさでその壮大な姿は健在です。

ピラミッドの石
ピラミッドの石(photo by 写真AC)

クフ王のピラミッドは、紀元前2560年頃から約20年の歳月をかけて約20年の歳月をかけて完成したと伝えられています。一説には2.5トンもの石灰岩を200万個以上も積み上げて造られたとされています。一つひとつの石が大人ほどの高さを持つことから、当時の建設作業がいかに大変な重労働であったかが想像できます。ピラミッドの内部は、かつて日本の古墳のように王の棺や財宝が納められていた王墓と考えられていますが、王の棺が別の場所にあったとする説も存在し、未だ多くの謎に包まれています。現在、ピラミッドは王の墓であるという説が有力ですが、考古学調査の進展によって新たな発見があるかもしれません。なお、クフ王のピラミッド内部は、見学できる人数が1日あたりに制限されている場合があります。見学を希望される場合は、事前に最新の情報を確認することをおすすめします。

カフラー王のピラミッド

カフラー王のピラミッド
カフラー王のピラミッド(photo by 写真AC)

カフラー王はエジプト古王国の第4王朝ファラオで、クフ王の息子です。ピラミッドの大きさは、建築時は底辺は215mで高さは143mとされ三大ピラミッドの中で2番目の大きさです。一見、クフ王のピラミッドよりも高く感じますが、クフ王のピラミッドよりもやや高い場所に建てられているためです。ピラミッドの全面は、かつては白い化粧板で覆われ、光を反射して輝いていたとされています。しかし、、14世紀の大地震で多くの化粧板が剥がれ落ちました。その後、その剥がれ落ちた石材に加え、意図的に剥がされたものも、カイロ市街のモスクや城壁を築くための建材として持ち出されました。それでも、他とは異なり頂上部に化粧板が残り、状態が最も良いため、最も美しいピラミッドと言われています。

ピラミッドの前に鎮座するスフィンクス

スフィンクス
スフィンクス(photo by 写真AC)

スフィンクスといえば、誰でも見聞きしたことがあるエジプトを代表する石造ですが、カフラー王のピラミッドの前に堂々と鎮座しています。スフィンクスの大きさは全長73.5m・全高20m・全幅19mで現存する古代遺跡の彫像で最大です。このスフィンクスもピラミッドと同じように謎に包まれていて、誰によって造られたのか、顔は誰をイメージしたものなのか、いつ造られたかなど分かっていないことが多いですが、現在ではカフラー王の命で造られ、顔もカフラー王を模したものという説が有力です。

メンカウラー王のピラミッド

メンカウラー王のピラミッド
メンカウラー王のピラミッド(photo by 写真AC)

メンカウラー王のピラミッドは、エジプト・ギザにある三大ピラミッドの中で最も小さいピラミッドです。高さは約65.5メートル(現在は約61メートル)で、クフ王・カフラー王のピラミッドに比べると規模は小さいものの、非常に精巧に作られています。外壁の下部には花崗岩の化粧石が使われ、当時の技術の高さを示しています。内部構造も複雑で、複数の埋葬室が存在します。近くには女王のためとされる小型の副ピラミッドも3基並んでいます。メンカウラー王の治世は比較的平和で信仰や文化が重視された時代とされるため、このピラミッドは壮大さよりも丁寧な造りが特徴という説の他、経済的な問題や王権の衰退のために規模が小さくなったという説もあります。歴史記録には諸説ありますが、「クフ → カフラー → メンカウラー」の順に王位が継承されたとされるのが一般的な見解です。

【三大ピラミッドの観光について】※2025年10月更新

■チケットの取得について

ピラミッドの敷地内に入る際は、ギザ高原の入場券が必要になります。合わせて、中を見学したい場合はそのチケットも購入します。オンラインでの購入の他、現地の窓口でも購入可能です。

・エジプト政府の公式オンラインチケットサイト:https://egymonuments.com/

オンラインサイトでは、エジプト博物館やルクソール神殿などのチケットも購入できますが、ピラミッドのチケット取得の際はギザ高原を選択してください。入場券の他、内部を見たい場所があればそのチケットも選択してください。クフ王とメンカウラ―王の入場券と他2つの入場券はありますが、カフラー王のチケットはありません。修復・保存の関係で情報が変わる場合があるので、訪問前に公式サイトで確認をすることをおすすめします。

■ギザ高原の敷地内にある主なスポット

クフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッド、メンカウラー王のピラミッド、スフィンクス、スフィンクス寺院、王妃のピラミッド群、労働者の墓、メレスアンク三世の墓

■ピラミッドの観光の仕方

ツアーに予約をする他、個人での入場も可能です。ホテルなどで事前にチャーターをしたドライバーとともに複数のピラミッドを周ることも可能です。クフ王のピラミッド周辺やスフィンクス付近に観光用のラクダがたくさんいますが、チップを強要されるなどの料金トラブルが非常に多いので利用する際は必ず「金額・距離・時間」を明確にするようにしてください。カメラを向けただけでチップを要求されることもあります。

■ギザ高原の営業時間

[通常]7時~16時※最終入場、 [ラマダン期間]8時~15時30分※最終入場

■現地のチケット売場について

チケット売場はクフ王のピラミッド付近のメインゲート(住所:X4GR+589, Al Haram, Giza Governorate 3512201)とスフィンク付近のスフィンクスゲートの2つあります。クレジット決済も可能ですが念のため現金の用意をしておくと安心です。また、チケット売場付近には強引な客引きが多いので注意してください。チケット売場や入場口の案内板の表示情報は公式なものなので、そちらを信じるようにしてください。

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