山岳リゾートを彷彿させるアルゼンチン・パタゴニア地方の美しい街バリローチェ

アルゼンチン・パタゴニア地方の美しい街バリローチェ

アルゼンチン・パタゴニア地方の玄関口、サン・カルロス・デ・バリローチェは、壮大なアンデス山脈と澄み切った氷河湖に抱かれた、美しさと文化が共存する町です。この地には、湖畔に佇むゴシック様式の「ナウエル・ウアピの聖母大聖堂」、歴史と格式を誇る「Llao Llao ホテル」、行政の中心「セントロ・シビコ」、山々と湖を背景に建つ小さな「サン・エドゥアルド礼拝堂」、そしてアウトドアの聖地「セロ・カテドラル」といった名所が点在しています。雄大な自然と共に、歴史的建築や文化が織りなす風景は、訪れる人々に忘れがたい体験をもたらしてくれます。

目次

歴史香るセントロ・シビコ広場

歴史香るセントロ・シビコ広場
セントロ・シビコ広場※AI生成

バリローチェの観光では絶対に外せないスポット、それが「セントロ・シビコ」です。ここは1940年に建設され、パタゴニアの文化的中心として長く地元の人々に親しまれてきました。広場の中心にはフランシスコ・P・モレノ博物館があり、パタゴニアの自然や先住民文化を学ぶことができます。私は中で展示されていた先住民の工芸品や動植物の標本に深く感動しました。また、市庁舎の時計塔では、決まった時間に人形劇のような仕掛けが動き出す演出があり、多くの観光客が集まってその様子を写真に収めていました。何より心に残ったのは、広場の北側に広がるナウエル・ウアピ湖の絶景。湖と山が織りなす風景はまるで絵画のようで、費用をかけずとも贅沢な時間を過ごせます。バリローチェの歴史と自然、両方を感じられるこの場所は、観光初心者にも旅慣れた方にもおすすめできる、旅行の起点として最適なスポットでした。

湖畔に佇む名門Llao Llaoホテル

湖畔に佇む名門Llao Llaoホテル
Llao Llaoホテル※AI生成

バリローチェを訪れるなら、ぜひ来てほしいのが「Llao Llao(ジャオ・ジャオ)ホテル」です。私は天気の良い午後に訪れましたが、山と湖に囲まれたその姿は、まるで別世界のようでした。モレノ湖とナウエル・ウアピ湖に挟まれた丘に立つこのホテルは、赤茶色の屋根と木造の温かみある建築で、自然の風景と見事に調和しています。このホテルは1938年に開業し、パタゴニアの自然美を背景にスイス・アルプス風の建築様式を取り入れたその外観は、設計者アレクサンドレ・バスタルドによるもの。長い歴史を持ち、バリローチェの建築的遺産としても高く評価されています。宿泊には一定の費用がかかりますが、カフェやレストランの利用、外観の見学などは誰でも可能で、旅行の途中に立ち寄るだけでも十分に楽しめます。私が特に心を惹かれたのは、裏手から広がる絶景です。モレノ湖の湖面と、その向こうに連なるアンデスの山々が、静寂の中で壮大なスケールを感じさせてくれました。近くには小さな礼拝堂「サン・エドゥアルド」や散策路も整備されており、短時間でも大自然を満喫できる点も魅力です。高級ホテルでありながら、その景観と空間はすべての観光客に開かれており、バリローチェ観光をより豊かな体験にしてくれる場所でした。

Llao Llaoの丘に佇むサン・エドゥアルド礼拝堂

サン・エドゥアルド礼拝堂
サン・エドゥアルド礼拝堂※AI生成

Llao Llaoホテルからほど近い小高い丘に、ひっそりと佇む「サン・エドゥアルド礼拝堂(Capilla San Eduardo)」は、20世紀半ばに建てられたもので、地元産の石材と木材を使ったアルプス風の素朴な建築が特徴です。内部も木造の温かみある造りで、観光客だけでなく、地元の人々の祈りの場としても今なお大切にされています。建物自体は小規模ですが、そこに流れる空気はとても静かで神聖。街の喧騒を離れて静かな時間を過ごすことができます。私が訪れたときは他に誰もおらず、礼拝堂のベンチに腰掛けて外の景色を眺めることができました。眼下にはモレノ湖が広がり、遠くにアンデス山脈が見渡せる絶景。まるで自然の中に溶け込むような感覚で、観光スポットというよりは、心を整えるための「寄り道」のような場所でした。アクセスも比較的容易で、Llao Llaoホテルから徒歩数分。特別な費用もかからず、静けさや自然の美しさに触れることができます。華やかさはないものの、バリローチェ観光の中でも、記憶に残る穏やかな体験を提供してくれる、おすすめのスポットでした。

山岳アクティビティを楽しめるセロ・カテドラル

山岳アクティビティを楽しめるセロ・カテドラル
セロ・カテドラル※AI生成

バリローチェの旅行で最もアクティブな体験ができるのが、「セロ・カテドラル(Cerro Catedral)」です。標高2,405メートルを誇るこの山は、南米最大級のスキーリゾートとして有名で、冬には世界中からスキーヤーが集まります。「カテドラル」という名前は、尖った岩山の形が大聖堂の尖塔に似ていることに由来しています。山頂付近までゴンドラやチェアリフトで登ることができ、そこから見渡すアンデス山脈やナウエル・ウアピ湖のパノラマは絶景です。また、リフトを降りた先にはカフェや展望台もあり、体力に自信がない人でも景色を楽しむことができます。夏場はハイキングコースも整備されており、装備があれば手軽に半日コースで高原を歩くことも可能。冬にはスキーやスノーボードのレンタルも充実しており、手ぶらでもウィンタースポーツを楽しめます。費用に関しては、季節やアクティビティによって異なりますが、観光としては手頃な価格で楽しめるのも嬉しいポイント。自然とアドベンチャーが融合するこの山は、静かな観光地とはひと味違う、エネルギッシュなバリローチェ旅行の思い出となりました。アクティブ派には特におすすめのスポットです。

ゴシック建築が映えるナウエル・ウアピの聖母大聖堂

ゴシック建築が映えるナウエル・ウアピの聖母大聖堂
ナウエル・ウアピの聖母大聖堂※AI生成

バリローチェ旅行中、思わず足を止めた場所が「ナウエル・ウアピの聖母大聖堂(Catedral de Nuestra Señora del Nahuel Huapi)」でした。湖畔にそびえるその堂々たる姿は、まさに荘厳。私は夕暮れ時に訪れたのですが、湖面を赤く染める夕陽と大聖堂のシルエットが見事に調和し、まるで一枚の絵画のような光景に感動しました。この大聖堂は1946年に完成し、ゴシック・リヴァイヴァル様式で設計されています。尖塔を持つ石造りの外観や、色とりどりのステンドグラスが印象的で、内部も静謐な空気が漂います。パタゴニアの自然を背景にした宗教建築としては珍しく、観光客だけでなく、地元の人々にとっても大切な祈りの場です。訪れた日はちょうど結婚式が行われており、幸せそうなカップルと参列者たちが礼拝堂を彩っていました。中に入ると木造のベンチがずらりと並び、荘厳な雰囲気の中にも温かさが感じられました。ステンドグラスには宗教的なモチーフが描かれており、午後の光を受けて輝く姿は忘れられません。ナウエル・ウアピの聖母大聖堂は、街の中心からもアクセスが良く、費用もかからずに見学できます。歴史と建築美、そして自然が融合するこの場所は、バリローチェ観光の中でも特におすすめしたいスポットです。

SELECTION―セレクション―