世界遺産にも認定 アイスランドの壮大な自然の絶景

アイスランドの自然の絶景

アイスランドには、火山、氷河、滝、地熱などが織りなす、地球の原風景とも言える自然の絶景が数多く存在します。黒い砂浜、噴き上がる間欠泉、プレートの裂け目、氷塊が漂う湖など、一国の中に多様な自然の顔が共存しているのがこの国の大きな魅力です。この記事では、アイスランドの自然の中でも特に特徴的で、地質や気候の個性が際立つ5つのスポットを厳選し、それぞれの成り立ちや見どころとあわせて紹介します。

目次

地球の裂け目が大迫力、シンクヴェトリル国立公園

シンクヴェトリル国立公園
シンクヴェトリル国立公園

シンクヴェトリル国立公園は、アイスランドの首都レイキャビク発の日帰りツアーの定番ルート「ゴールデンサークル」(シンクヴェトリル国立公園・ゲイシール・グトルフォスの滝)の最初の目的地として訪れる人が多いです。ここは、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの境界に位置していて、地球の裂け目が地表に現れている世界でも珍しい場所です。プレートの引き離しによって形成された「ギャウ(graben)」と呼ばれる断層谷がいくつも走り、その中でも特に「アルマンナギャウ」は、圧倒的なスケールを誇ります。さらにこの場所は、930年に世界で最初の民主議会「アルシング」が開かれた歴史的な舞台で、自然と人類の足跡が同居する特別なエリアとなっています。園内は整備された遊歩道が広がっていて、トレッキング感覚で景色を楽しみながら散策ができます。透明度の高い湧水スポット「シルフラ」では、プレートの間を泳ぐシュノーケリング体験も人気です。シンクヴェトリル国立公園は、レイキャビクから車で約45分〜1時間程度の立地です。

【シンクヴェトリル国立公園】

住所:Þingvellir National Park, 806 Selfoss

アクセス:レイキャビクから国道36号線と1号線(リングロード)を経由し、約45分〜1時間

営業時間:9時~18時(4月~10月)、9時~17時(11月~3月)※ビジターセンター

公式サイト:https://www.thingvellir.is/en/

アイスランド観光の定番ゲイシール

ゲイシール
ゲイシール

アイスランドの地熱活動を象徴する存在が、フルカダールル渓谷にあるゲイシール地熱地帯。「Geysir(ゲイシール)」は英語の“geyser(間欠泉)”の語源にもなった、世界で最も有名な間欠泉の一つ。現在、ゲイシール自身の噴出は不定期ですが、そのすぐ隣にあるストロックル(Strokkur)が、5〜10分おきに勢いよく熱湯を20m以上噴き上げる姿は、観光客にとって大きな見どころとなっています。噴き出す前の湯の表面が丸く膨らむ様子や、青く輝く水のドームが破裂する瞬間は、まさに自然のエネルギーを目の当たりにする感覚。地面からは常に蒸気が立ち上り、辺りは独特の硫黄の香りに包まれています。レイキャビクからは車で1時間30~1時間45分程の立地です。

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内側から眺めることができるセリャラントスフォスの滝

セリャラントスフォスの滝
セリャラントスフォスの滝

セリャラントスフォスの滝は、アイスランド南部を象徴する美しい滝のひとつで、その最大の特徴は滝の裏側に回り込めること。高さ約60メートルの断崖から流れ落ちる水のカーテンを、まるで内側から眺めるような形で体験できるのは世界的にも珍しいです。滝の周囲は歩道が整備されていて、歩いて360度どの角度からでも鑑賞可能です。特に夕暮れ時には、背後から差し込む太陽光が水しぶきを照らし、幻想的な光景が広がります。ただし、滝の裏側を歩く際は足元が滑りやすく濡れやすいため、防水対策が必須です。セリャラントスフォスの滝は、アイスランドの主要道路「リングロード」沿いにあり、レイキャビクから車で約2時間ほどの距離にあります。

火山活動で創られたレイニスフィヤラ黒砂海岸

レイニスフィヤラ黒砂海岸
レイニスフィヤラ黒砂海岸

アイスランド南部ヴィーク近郊に位置するレイニスフィヤラは、一面に真っ黒な砂が広がる独特の海岸です。浜辺に立つと、どこまでも続く黒い砂と打ち寄せる白波のコントラストが、他にはない景観を生み出しています。海岸全体が黒いのは、周囲で繰り返されてきた火山活動によって噴出した玄武岩(火山岩)が砕けて堆積した砂によるものです。背後の崖には、冷却された溶岩が収縮する際にできた柱状節理(バサルト)が整然と並び、幾何学的な模様を描いています。自然が彫り出したこの絶景の岩壁は、訪れる者の足を止めるような造形美を持ち、写真撮影の名所にもなっています。沖には、波に浸食されたレイニスドランガルの奇岩群が突き出しています。これらの奇岩は、かつて船を引き寄せようとしたトロールたちが、夜明けに日光を浴びて石になったものだという民話が現地では今も語り継がれています。海岸では予測不能な高波が発生することがあり、波打ち際に近づくのは非常に危険なので、安全な距離から景観を楽しむようにしてください。

自然の織り成す絶景ヨークルスアゥルロゥン氷河湖

ヨークルスアゥルロゥン氷河湖
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖

アイスランド南東部に位置するヨークルスアゥルロゥンは、ヴァトナヨークトル氷河の末端部が溶けて形成された氷河湖です。湖面には、氷河から崩れ落ちた大小さまざまな氷塊が静かに浮かび、青白い輝きを放っています。特に風のない日には、湖面が鏡のように澄みわたり、氷塊や周囲の山々が水面に映り込む幻想的な風景が広がります。氷塊はやがて湖から海へと流れ出し、その一部は隣接する黒砂の海岸に打ち上げられます。そこは「ダイヤモンド・ビーチ」と呼ばれ、黒い砂の上で陽光に照らされて輝く氷が、まるで宝石のような景観をつくり出しています。この氷河湖では夏季にアムフィビア・ボートやゾディアックボートによる遊覧ツアーが運航され、湖上から氷塊を間近で観察することができます。また、冬季にはヴァトナヨークトル氷河の氷の洞窟探検が人気で、季節ごとに異なる楽しみ方が可能です。ヨークルスアゥルロゥン氷河湖へ観光する際は、車で1時間程の距離のホフン(Höfn)を拠点にする方が多いです。

【ヨークルスアゥルロゥン氷河湖】

アクセス:ホフン(Höfn)から車で約1時間

WEBサイト:https://adventures.is/iceland/attractions/jokulsarlon/

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