ビーチだけじゃない世界遺産も必見、バリ島のおすすめ観光名所を紹介

ウブドの中心に構えるプリ・サレン・アグン王宮(ウブド王宮)は、かつて王族が暮らした邸宅で、バリ建築の美しさを間近に見られる貴重な場所です。レンガと石を組み合わせた門は、表面全体に神話を題材にした彫刻が施され、職人の技が細部まで刻み込まれています。屋根にはヤシの葉を使った茅葺きが用いられ、素朴でありながら重厚な雰囲気を放っています。中庭を囲む建物は木彫りの装飾が緻密で、柱や梁には金箔が施された部分もあり、当時の格式を物語っています。同じ東南アジアなのにタイよりもどことなく南国感を感じる装飾です。プリ・サレン・アグン王宮には、王族の迎賓や儀式に使われた舞台も残され、現在は夜に舞踊公演も開催されています。入場の際は、露出の多い服装では中に入れないので注意してください。私はショートパンツを履いていたので注意されてしまい、周りの露店で腰巻きを買ってから入りました。

タマン・アユン寺院は、水の張られた堀に囲まれた庭園のようなお寺です。名前の通り「美しい庭」を意味していて、散策するだけでのんびりした気分になれます。境内に入ると目に飛び込んでくるのは、屋根が何層にも重なったメルと呼ばれる神を祀るための建物の数々。整然と並ぶ姿がとても印象的で、角度を変えるとまるで塔の森のように見えます。また、どことなく日本の昔の建物に似ているような気もしました。観光客が多い時間帯でも、広々とした敷地のおかげで不思議と静けさを感じられるのも魅力。夕方には柔らかい光が差し込んで、祠と堀に映る影がとても絵になります。タマン・アユン寺院は、世界遺産に登録されている格式ある寺院ですが、難しく考えず「庭園散歩」の気分で立ち寄れるのが、この場所のいいところです。

ウブド中心から車で20分ほどで行けるテガララン・ライステラスは、谷の斜面いっぱいに広がる棚田で知られる観光地です。道路沿いには展望カフェが立ち並び、飲み物を片手に眺める景色はまさに絶景。緑一色に見える田んぼも、成長具合や水面の光の反射で微妙に色が変わり、自然がつくり出すグラデーションを楽しめます。棚田の中には遊歩道が整備されていて、あぜ道を歩きながら角度の違う景色を味わえるのも魅力。途中には竹で作られたブランコや巣型のフォトスポットがあり、観光客でにぎわっています。短時間の立ち寄りでも十分満足できる、ウブドらしい絶景ポイントです。バリ島には他にも有名なライステラスが幾つかあり、一番アクセスがいいのがテガララン・ライステラスです。遠いですが、クタエリアから車で2時間以上かかる場所に世界遺産のジャティルウィ・ライステラスもあります。

ウブド郊外のコーヒー農園に併設された「ウマ・パケル・バリ・スウィング」は、谷を見下ろす巨大ブランコが名物の体験型スポット。ブランコに座ると係員が後ろから力いっぱい押してくれ、足元の景色が一気に開け、眼下には棚田や樹々が広がり素晴らしい景色です。強度がやや不安に感じたのもあり、ちょっとした遊園地の絶叫系にも負けないスリルも味わえました。高さが不安な人には、竹で編んだ鳥の巣型のフォトスポットや展望台も用意されていて、気軽に景色を楽しめます。施設内では自家農園で育てたコーヒーの試飲ができ、バリ特有のルアックコーヒーも体験可能です。私は、複数種類のコーヒーセットの注文をしましたが、どのコーヒーも味の違いが分かり、どれも美味しかったです。試飲用のテーブル席からも棚田の眺めが広がるので、ブランコに挑戦しなくても十分に満足できます。観光地らしい賑わいの中に、農園の日常と景観がそのまま残っているのも面白いところ。体験と景色の両方を味わえる、ウブドらしい寄り道スポットです。

トゥグヌンガンの滝は、バリ島で最も訪れやすい滝のひとつ。入口から滝までは階段を下っていきますが、途中にいくつも展望台があり、水しぶきを上げる滝を少しずつ角度を変えて眺められます。近づくと想像以上の迫力で、滝壺の周りでは水遊びをする人や写真を撮る観光客でにぎやか。滝のすぐ近くまで歩けるので、足元まで冷たい水がかかってくるのもこの場所ならではの体験です。周辺には小さなカフェや撮影用のフォトスポットが整備されていて、休憩しながらゆっくり過ごすこともできます。雨季には水量が増して茶色い濁流となり、乾季とはまた違った姿を見せるのも面白いです。私が観光した時はできていませんでしたが、下がスケルトンになっているガラス橋も新しくできたようです。

海に突き出した岩の上に建つタナロット寺院は、16世紀に創建され、海の守り神を祀る大切な信仰の場です。干潮のときだけ歩いて渡れる独特の立地で、満潮になると海に浮かぶ小島のように見えるのが特徴。観光客が足を運べるのは岩の基部や崖沿いにある祠で、本殿の奥までは入れませんが、手前で聖水をかけてもらう簡単な参拝体験ができます。崖沿いには展望カフェもあり、飲み物片手にサンセットを眺められるのも楽しみのひとつ。タナロット寺院は夕暮れの景色が美しいことで有名なので夕暮れ前の時間に着くことを想定して1日の観光のスケジュールを組むことをお勧めします。海沿いという立地や夕暮れの影響なのか、なんとなく神聖な雰囲気を感じられる場所でした。この記事の最初の写真がタナロット寺院の夕暮れ時の写真です。

クタ中心部にあるウォーターボム・バリは、熱帯の植物に囲まれた広大なウォーターパーク。園内は南国らしい木陰が多く、ただ歩いているだけでもリゾート気分を味わえます。ウォータースライダーは13種類もあり、その中でも目玉は17ｍの高さからのほぼ垂直のウォータースライダーで、チューブの中を一気に滑り降りるスリルは大人でも思わず声が出るほど。私も体験しましたが、絶叫系には強いのですが、落下前のカウントの時は少し恐怖感もありました。小さな子ども向けの浅いプールや、のんびり流れる流れるプールもあり、世代を問わず楽しめる工夫がされています。スライダーの合間には芝生の上で一休みしたり、プールサイドのレストランで冷たいドリンクを飲んだりと、過ごし方は自由自在。入園者数に対して敷地が広いため、混雑しても窮屈さをあまり感じません。観光や買い物で少し疲れたときに、気軽に立ち寄って一日遊べるのも魅力。海だけではないバリの水遊びスポットとして、旅程に加えるとぐっとバリエーションが広がります。