高雄を訪れるアート好きの人は外せない駁二芸術特区

台湾の高雄に来たアート好きの方にぜひ、おすすめしたい場所が駁二芸術特区です。ここで楽しめるのは、いわゆる堅苦しい芸術作品ではなく、街の風景に自然に溶け込むようなポップで親しみやすいアート。肩の力を抜いて、どなたでも気軽に楽しめる空間が広がっています。期間限定の展示も多く、私が訪れた際には「ミッフィー展」が開催されていました。また、伊藤潤二さんのホラー作品を体感できるVR展示もあり、初めてその世界に触れてみました。作品を詳しくは知らなかった私でも興味が湧き、旅中にも関わらず、ホテルに戻ってから動画配信サービスで作品を検索し、つい夢中になって観てしまいました。
列車の展示エリア

高雄LRTの駁二蓬萊駅を降りてすぐの駁二芸術特区の一角に、古い列車が並ぶエリアがあります。保存されている列車の周辺は芝生が広がり、倉庫街の景観と一体になった広々とした空間になっています。訪れたときには観光客が写真を撮ったり、子どもが車両のそばで遊んだりしていて、展示エリアというより公園に近い雰囲気でした。列車の車体は塗装が剥がれ落ちていて、車輪や連結部分には長い年月の跡が残っていて、当時どのように使われていたのかを想像しながら眺めていました。駁二芸術特区に向かう際に使った高雄LRTも、この場所を訪れる楽しみのひとつです。車両はガラス張りで車内は明るく、走るスピードが抑えられているので、景色を見ながらゆっくり移動できます。
土産物探しにもおすすめ

台湾・高雄市の海沿いに広がる「駁二芸術特区」は、1970年代に建設された港湾倉庫群を活用した文化施設です。もともとは貨物の保管などに使われていた建物を、高雄市政府が再整備し、2006年より文化芸術の発信拠点として一般開放されています。エリアは「大勇倉庫群」「大義倉庫群」「蓬萊倉庫群」の三つに分かれ、それぞれにギャラリー、アートショップ、イベントホールなどが配置されています。一般の土産物屋には無いアートセンスのあるものを選びたい場合は、ここのショップで買い物をするのもおすすめです。
大迫力の壁面アート

駁二芸術特区の中でも目を引く存在となっているのが、大義倉庫群の外壁に描かれた巨大な3Dウォールアート。列車や歯車、駅舎などをモチーフにした工業的なデザインが、倉庫の壁面いっぱいに展開されています。この作品は、かつて高雄港が物流拠点として栄えていた時代の記憶をアートとして表現したもののようです。また、側面にも日本のロボットアニメをモチーフにしたような迫力があるアートも描かれています。特区の中でも特に来訪者の注目を集めている場所で、絶好の写真撮影スポットです。ここでの写真撮影は外せません。
数々のアートオブジェ

駁二芸術特区の中は、その名の通り本当にアート作品であふれています。ゆるキャラのようなオブジェや、まるでトランスフォーマーのような巨大ロボットが展示されているかと思えば、貨物用コンテナを幾何学的に組み合わせたダイナミックなコンテナアートも登場します。さらに、外壁が大胆にペイントされた建物や、目や口が描かれてまるでキャラクターのようになった配電盤など、街の細部にまでユーモアと創造性で溢れていました。普段は、アートが身近ではない私も周囲を見まわしながら散策するのが楽しかったです。
2020年に開通した大港橋

高雄港のウォーターフロントに位置する大港橋は、駁二芸術特区と蓬莱商港区を結ぶ歩行者専用橋です。全長は110メートルで、2020年に開通しました。白を基調とした緩やかな曲線が特徴で、港の風景によくなじんでいます。橋の中央部分は旋回式になっていて、毎日15時と、金・土・日は19時に3分程の回転ショーを楽しめます。また、橋の上からは「高」の文字にデザインされた高雄85ビルを見ることもできます。スマホのカメラでもズームを使えば記念写真を撮れる位の距離感です。蓬莱商港区にも魅力的なショップが多いので時間に余裕がある方は、大港橋を渡ってみるのをおすすめします。
【駁二芸術特区】
所在地:台湾・高雄市塩埕区(港エリア)
アクセス:高雄MRT(地下鉄)イエローライン(橘線)「塩埕埔駅」1番出口から徒歩約5分、高雄LRT(環状軽軌)の 駁二大義駅(C13) または 駁二蓬萊駅(C12) で下車すぐ。個人的には、降りてすぐに列車の展示があるのでLRTの駁二蓬萊駅から向かうのをおすすめします。
WEBサイト:https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003121&id=A12-00320