フランクフルトから日帰りで行ける世界遺産の街・ヴュルツブルク

ヴュルツブルクの街

日本からドイツへの航空便が最も多いのがフランクフルトです。フランクフルト中央駅からICEで1時間30分以内で直行でもいくことができる世界遺産としてはケルンにあるケルン大聖堂がありますが、それよりも短時間の約1時間10分で着くヴュルツブルク中央駅に世界遺産のヴュルツブルク司教館(レジデンツ)があります。ヴュルツブルクは観光客がそれほど多い街ではないですが、落ち着い魅力的な雰囲気のある街なので、ぜひ、街の空気を感じながら散策して欲しいです。今回は私がフランクフルトから日帰りでヴュルツブルクに行った時に実際にまわってきた観光スポットを紹介します。

目次

二つの巨大な角塔が目立つヴュルツブルク・ドーム

ヴュルツブルク・ドーム
ヴュルツブルク・ドーム

旧市街を歩いていてまず目を引くのが、二つの巨大な角塔があるヴュルツブルク・ドーム(聖キリアン大聖堂)。この大聖堂は、ドイツ国内で4番目に大きいロマネスク建築の教会なんだそうです。11世紀に建てられて、見た目は重厚だけど、中に入ると意外なほど明るくて開放感あり。高い天井にゆるやかなアーチ、祭壇まわりの装飾も落ち着いていて、静かな迫力があります。第二次世界大戦で一度ほぼ焼けてしまったものの、1967年丁寧に修復されて今の姿に。街歩きの合間にふらっと入っても、しっかり見応えがあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

【ヴュルツブルク・ドーム】※2025年9月確認

住所:Domstr. 40, 97070 Würzburg

アクセス:ヴュルツブルク中央駅から10~15分程

営業時間:8時~18時(日曜日は夕方のミサ終了後、午後7時30分まで)

公式サイト:www.dom-wuerzburg.de/

 

マリア礼拝堂とノイミュンスター教会

マリア礼拝堂とノイミュンスター教会
マリア礼拝堂とノイミュンスター教会

左側の写真がヴュルツブルク旧市街のマルクト広場にあるゴシック様式のマリア礼拝堂です。1377年に着工、1480年ごろ完成しました。市民によって建設された教会として知られ、外壁にはティルマン・リーメンシュナイダー作の「アダムとイヴ」像の複製が飾られています。第二次世界大戦で大きく崩れましたが、戦後に再建され、現在も街の中心的存在です。右の写真はノイミュンスター教会です。11世紀前半に建てられた教会で、聖キリアンをはじめとするフランケンの使徒たちが殉教した場所に建つとされています。現在の建物は主に18世紀に改築されたバロック様式で、白と金の装飾が特徴。ファサードは赤い砂岩で構成され、内部には歴代司教の墓や聖人の記念碑などが多数残されています。

世界遺産、ヴュルツブルク司教館(レジデンツ)

ヴュルツブルク司教館(レジデンツ)
ヴュルツブルク司教館(レジデンツ)

ヴュルツブルク観光で、絶対に外すことのできない場所は世界遺産にも登録されている「レジデンツ」。18世紀に建てられたこの宮殿は、当時のヴュルツブルク大司教がフランスやイタリアの宮廷建築に強く憧れ、「ヴェルサイユ宮殿に匹敵するものを」として計画されたものです。建築にはバルタザール・ノイマンをはじめ、フランス、イタリア、オーストリアの芸術家が参加。外観からしてただならぬ存在感で、正面の広がりや左右対称のバランスが見事、中に入るとヨーロッパの宮廷文化が融合した贅沢な空間が広がります。特に「階段ホール」の天井フレスコ画は世界最大級で、スケール感が凄い。鏡の間や白の間の装飾も一つ一つが精巧です。旧市街からも徒歩圏内なので、ヴュルツブルクに来たら必ず訪れてほしいスポットです。

【ヴュルツブルク司教館(レジデンツ)】※2025年9月確認

住所:Residenzplatz 2,97070 Würzburg

アクセス:ヴュルツブルク中央駅から15分程

営業時間:9時~18時(4~10月)、10時~16時30分(11~3月)

公式サイト:www.residenz-wuerzburg.de/

圧倒的な存在感、マリエンベルク要塞

マリエンベルク要塞
マリエンベルク要塞

マイン川を見下ろす小高い丘の上に建つマリエンベルク要塞は、ヴュルツブルクの旧市街からもはっきり見える圧倒的な存在感を放っています。この場所には紀元前からケルト人の砦があり、8世紀にはマリエン教会が建てられました。要塞としての整備が始まったのは13世紀以降で、ヴュルツブルクの大司教が政治・軍事の中心として使用していました。16世紀から17世紀にかけては、ルネサンス様式とバロック様式を取り入れて大規模に改築され、現在見られるような城塞都市のような姿に。要塞内にはフランケン地方の美術品や工芸品を展示する「フランケン博物館」があり、司教の居館や中庭、塔なども自由に見学できます。街の中心部から徒歩でもアクセス可能ですが、坂がきついため体力的に自信の無い方はバスやタクシーの利用もおすすめ。丘の上から眺めるヴュルツブルクの旧市街とマイン川の景色は格別です。要塞内は広く見どころも多いので観光の時間としては2時間~2時間30分程を目安にしておくといいと思います。

円形に近い独特な外観のマリエン教会

マリエン教会
マリエン教会

マリエンベルク要塞内に建つマリエン教会は、ヴュルツブルクで最も古い教会建築のひとつで、その起源は西暦706年にさかのぼります。フランケン公ヘダン2世が、聖母マリアに捧げる礼拝堂として建立したのがはじまりです。円形に近い独特な外観は、初期キリスト教建築の伝統を感じさせ、現存するドイツの教会の中でも非常に珍しい構造といえます。また、この教会は、ヴュルツブルクの守護聖人・聖キリアンとその同志コルマヌス、トトナヌスの最初の埋葬地としても知られています。彼らはこの地で布教中に殉教し、のちにヴュルツブルクの信仰と教区形成の中心的存在となりました。教会内部には歴代司教の墓碑も残されており、華美な装飾はありませんが、重厚で静かな空間が今も祈りの場として息づいています。

【マリエンベルク要塞】※2025年9月確認

住所:Festung Marienberg, 97082 Würzburg

アクセス:ヴュルツブルク中央駅からタクシーで10分程、レジデンツからはバス9番でSchönborntor下車

営業時間:9時~18時(4~10月)、10時~16時30分(11~3月)

公式サイト:www.schloesser.bayern.de/deutsch/schloss/objekte/wu_fest.htm

ヴュルツブルクの記事まとめ

ドイツのソーセージ
ドイツのソーセージ

こちらは、観光の合間のランチで食べたソーセージです。ドイツには1,500種類以上のソーセージがあるといわれ、地域ごとに独自のレシピや味付けがあります。ここまで紹介した観光名所はヴュルツブルク中央駅に到着後、ノイミュンスター教会、ヴュルツブルク・ドーム、マリア礼拝堂、レジデンツ、マリエンベルク要塞の順番だと周りやすいです。午前10時頃にヴュルツブルク中央駅に着けば、昼食の時間を1時間程とっても1日で十分に周りきれますよ。

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