カイロってどんなところ?カイロ在住者によるおすすめ観光スポット5選!
エジプトの首都カイロ。カイロ国際空港があり、エジプト観光の玄関口となります。カイロ県の人口は約1,000万人で隣接するギザ県は約950万人なので、両県を合わせたカイロ首都圏の人口は約2,000万人にのぼります。カイロ国際空港から中心地に向かう時点で、車窓から見える混沌とした景色に驚く人が多い事でしょう。特にカイロ中心地は道路も建物もごちゃごちゃしているため、現在政府は中心地から東35キロの砂漠地帯に新都心を建設中で、大統領府や省庁などの行政機関の移転が進み、オフィスビルや商業施設、住宅などが建設されています。今回はそんなカイロのおすすめ観光スポットを、ちょっとした観光のコツも含めてご紹介したいと思います。
カイロってどんな街?

アラブ諸国、中東を代表する大都会カイロ。筆者はこのカイロに移住して20年以上が経ちました。エジプトが中所得層の国なのに、経済的な悩みを抱えている国民も多いというのが現状です。郊外にはおしゃれなコンパウンドやショッピングセンターが増え続けている一方で、識字率がまだ低く生活に困っている方も多いという一面もあります。そのような課題のあるカイロですが、人が優しいです。ピラミッド周辺には、観光客目当てに余分なお金を請求する商売人や客引きが一部いますが、彼らは特別です。一般の人たちは人と人との距離が近めで明るく親切、そしてエネルギッシュです。治安も落ち着いているので、安心して訪れて下さい。
カイロ市内の交通手段は?

ツアーではなく個人旅行の場合、気になるのは交通手段ですよね。渋滞がひどいカイロなので、渋滞知らずの地下鉄が便利です。ただし通勤時間には驚くくらい混み合うので要注意。女性は夫婦・カップルでない限り、女性専用車両に乗るようにしましょう。また路線は3路線と少なく、お目当ての場所に地下鉄が通ってない場合もあるので、その場合はタクシーかUber、DIDIといった配車アプリを利用しましょう。筆者のおすすめはアプリ一択。その理由はタクシーにはメーターがついてない事が多く交渉が必要な事、バスはアラビア語表示で停留所が分かりにくい、時間は決まっていないなどハードルが高いのでおすすめしません。アプリは渡航前にダウンロードしてカード決済に設定しておきましょう。
カイロのおすすめ観光スポット1.ギザの三大ピラミッド

世界中の人々が一度は見てみたい場所として必ず名前が挙がるピラミッド。厳密に言うと、ナイル川を挟んで東岸がカイロ市、西岸がギザ市になり、ピラミッドはギザ市にありますが、カイロ市、ギザ市を合わせて大カイロと呼ばれているので、こちらでご紹介します。有名なギザの三大ピラミッドとは、クフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドで「メンフィスとその墓地遺跡ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯」として1979年に世界遺産に登録されています。1番大きなクフ王のピラミッドは完成時の高さ146m(現在は138m)で2.5tの石灰岩を230万個も積み上げて作られています。その大きさはもちろん、紀元前2500年頃にこんな石積みの技術があったことに驚かされます。ピラミッド敷地内には物売りやラクダ使いの方達がかなりしつこいこともあるので、そのような時は何も言葉を発しないことが賢明です。
カイロのおすすめ観光スポット2.シタデル(モハメド・アリ・モスク)

紀元前の遺跡が多いエジプトでは、新しい観光地になるシタデル。シタデルは12世紀にアイユーブ朝の創始者サラディーンにより、モカッタムの丘に建設された城塞です。城塞としての役目を終えたあとは王宮が建てられ、マムルーク朝、オスマン帝国時代を経て、19世紀のモハメド・アリ(ムハンマド・アリ)の時代まで政治の中枢として機能してきました。敷地内にはモハメド・アリ・モスク(ムハンマド・アリ・モスク又はアラバスター・モスク)、軍事博物館、イギリス植民地時代の牢獄など様々な建物があります。シタデルで見るべき場所は、大きなドームと2本のミナレットが特徴的なモハメド・アリ・モスク。オスマン帝国の支配下にあったエジプトの近代化の基礎を築いたモハメド・アリにより建てられた19世紀のモスクで、イスラム教徒でなくても内部に入る事ができます。内部は幻想的なランプや重さ1トンの大きなシャンデリアなど、幻想的な空間。モスクの中庭には、モハメド・アリがフランスに贈ったオベリスクのお礼に贈られた時計台があります。ちなみにフランスに贈ったオベリスクは、パリのコンコルド広場に置かれています。
【モハメド・アリ・モスク(ムハンマド・アリ・モスク又はアラバスター・モスク)】※2025年10月更新
●住所:Citadel of Saladin, Al Abageyah, Qism El‑Khalifah, Cairo
●アクセス:サラディーン城塞内、スルタン・ハッサン・モスクやアル・リファイ・モスクやイブン・トゥールーン・モスクから800mスルタン程。
●営業時間:9時~17時
●WEBサイト:https://egymonuments.gov.eg/en/monuments/muhammad-ali-mosque
カイロのおすすめ観光スポット3.ハーンハリーリ市場

考え付くエジプトのお土産品すべて揃っていると言ってもいい程品揃えが豊富なのが「ハンハリーリ市場」。ガイドブックには市場と書かれていますが、現地ではそのままハンハリーリと呼んでいます。もともとは14世紀から続く職人の工房兼お店が並ぶ場所。現在は通りの両側に小さなお店がずらりと並び、日本人が歩くと、コンニチハ~、ミルダケタダー、ワンダラーなど呼び込みの声がひっきりなしにかかります。気になる品があれば、言い値の半額くらいから交渉をしてみて下さい。エジプトのお土産定番と言えば、香水瓶、パピルス、民族衣装、香辛料、アラバスタなど。市場のメインストリートで売られている雑貨類のほとんどが中国製のチープな物が多く、少し奥まった小道には昔ながらの職人さんが作っているようなお店が並んでいます。お店との交渉が苦手という方は、ハンハリーリでは雰囲気を楽しむだけにしておくのが賢明です。
カイロのおすすめ観光スポット4.エジプト考古学博物館

1902年に設立されたエジプト考古学博物館には、エジプトのファラオ時代、ギリシャ・ローマ時代、コプト時代の遺物が所蔵されています。一番人気はかの有名なツタンカーメンの黄金のマスク。近くで見ると独特のオーラに引き込まれる事間違いなしの秘宝です。建物の老朽化が進んだため、ギザのピラミッドのすぐそばにグランド・ミュージアムが建てられ、多くの品々が運ばれました。正式な全館オープンは何度も延期されており、現時点のアナウンスでは、2025年11月にグランドオープン予定になっています。その後のエジプト考古学博物館の存在のあり方はまだ正式発表されていません。詳しい事が分かり次第、こちらでアップデートしたいと思います。
【エジプト考古学博物館(EMC)】※2025年10月更新
●住所:Tahrir Square, Meret Basha, Qasr an Nil, Cairo, Egypt
●アクセス:カイロ地下鉄M1・M2 線の sadat駅より徒歩約7分
●営業時間:[通常] 9時~17時(最終入館16時)[ラマダン]9時~16時(最終入館15時)
※チケットオフィスは開館30分前から最終入館時間まで
●WEBサイト:https://egyptianmuseumcairo.eg/
※エジプト考古学博物館のツタンカーメン王の遺物を展示している「ツタンカーメン・ギャラリー」は2025年10月20日に閉館の予定です。ツタンカーメン王の黄金のマスクをはじめとする、ツタンカーメン関連の貴重な遺物の多くはギザにある大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)に移転されています。大エジプト博物館は2025年10月15日に一時閉館し一般見学は2025年11月4日から再開の予定です。大エジプト博物館の情報は公式サイトから確認してください。
●大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)公式サイト:https://visit-gem.com/en/home
カイロのおすすめ観光スポット5.カイロタワー

ナイル川の中州、ゲジーラ島の建つカイロタワー。1961年に完成した展望タワーで、その外観はハスの花をモチーフにしています。高さ187mの展望台からは、カイロ市内を360度パノラマで一望する事が出来ます。カイロ市内には展望台や展望所のような場所は他にないので、唯一高いところからカイロ市街を一望できるスポット。釘や鉄骨を一本も使わず、鉄筋コンクリートで作られている事はあまり知られていないかもしれません。カイロタワーには、45分間で一周するレストランがあり、サンドイッチのような軽食から飲み物を楽しむ事が出来ます。おすすめの時間帯は日中からサンセットにかけて。カイロは夜景が特別キレイな街ではないので、カイロの雑多さが良くわかって興味深い日中の景色から、徐々にオレンジ色に染まる時間帯がねらい目です。視界が良ければ遠くに小さくピラミッドが見えるのも楽しみの一つです。
【カイロタワー】※2025年10月更新
●住所:Zamalek, Gezira Island, Cairo Governorate 4270024
●アクセス:地下鉄ライン2 の “Opera(オペラ)駅から徒歩10~15分
●営業時間:9時~0時(月・火・水・金・土)、7時~0時(木)、8時~0時(日)※FACEBOOKより。GOOGLE MAPの記載は毎日9時~翌午前1時。最新情報は現地で確認してください。
●WEBサイト:www.facebook.com/TheCairoTower/
カイロ観光まとめ

最後にご案内したいのは、エジプト観光時の注意点。エジプトは国民の90%がイスラム教徒という国です。女性は髪や手足を隠すのが一般的なので、夏場に観光客がタンクトップやミニスカートといった服装で歩いているのはとても目立ちます。郷に入れば郷に従えの精神、また訪問先へのリスペクトという意味も込めて、露出の少ない服装をおすすめします。極端な露出はアピールしているという風に見られるのでご注意下さい。エジプトには、カイロ以外にも、古代エジプトの遺跡が集まるルクソールをはじめ、アスワン、アブシンベル、アレキサンドリア、紅海など訪れるべきスポットがたくさんあります。カイロを基点として、ぜひエジプト旅行を楽しんで下さいね!

