マカオのタイパ・コロアンの観光名所を巡ろう

マカオは、大きく マカオ半島・タイパ・コタイ・コロアン の4つの地域に分かれています。世界遺産が集まるセナド広場をはじめ歴史的建造物が多いのはマカオ半島。リゾートホテルやカジノが集まるコタイ、素朴な漁村の面影が残るコロアン、そして伝統と新しい街並みが共存するタイパがあります。マカオ自体はコンパクトなため、半島から一番離れたコロアンまで車でおよそ20分ほどで行くことができます。私が訪れた際には、マカオ半島とコタイの両方のホテルに宿泊しました。世界遺産巡りを重視するなら半島エリア、リゾート感やカジノを楽しみたいならコタイ滞在でタイパやコロアン観光を組み合わせるのがおすすめです。今回は、コロアンとタイパの観光名所を紹介します。
清朝時代に建てられた譚公廟

「譚公廟」は、コロアン地区にある道教寺院で、漁師や航海の守護神として信仰される譚公を祀っています。譚公は若くして不思議な力を持ち、病を癒やし天候を操るとされた伝説的人物で、海に生きる人々の間で厚く崇拝されてきました。廟は清朝時代の1862年に建てられ、木造の梁や石造りの基礎を持つ伝統的な中国建築様式がそのまま残されています。外観は赤と灰色を基調とした質素ながら力強い佇まいで、正面には石獅子が置かれ、内部には譚公像が祀られています。ここでは毎年旧暦4月8日に「譚公誕」と呼ばれる祭礼が行われ、地元住民や漁師たちが参拝し、舞獅や演劇などの催しで賑わいます。観光の時間としては20分程が目安です。
【譚公廟】※2025年10月更新
住所:Avenida de Cinco de Outubro
アクセス:コロアンのバス停から徒歩2~3分
営業時間:8時30分~17時30分
WEBサイト:www.macaotourism.gov.mo/ja/sightseeing/temples/tam-kong-temple
漁村の人々の信仰の場、三聖宮

「三聖宮」は、コロアンの中心近くに位置する小さな道教寺院で、漁村の人々にとって欠かせない信仰の場です。創建年代は明確ではありませんが、古くから村の守護を担ってきたと伝えられています。廟の名前が示す通り、三聖宮は天后(航海の女神)、観音(慈悲の女神)、華光大帝(演劇や舞台芸能を司る神)の三柱が祀られています。それぞれの神は漁業の安全、家族の繁栄、文化的営みを守る存在として住民に厚く信仰されてきました。建物は赤を基調とした伝統的な中国廟の造りで、屋根には陶製の龍や鳳凰の装飾が施され、内部には香炉の煙が漂い、静謐ながらも神聖な空気に包まれています。境内はこぢんまりしていますが、壁面や柱には細やかな木彫や彩色が残され、素朴ながらも歴史的な美しさを感じさせます。現在も地元の人々が日常的に参拝し、旧暦の節句や祭礼の日には多くの参拝者で賑わっています。規模は大きくないため観光の時間としては15分程でした。
【三聖宮】※2025年10月更新
住所:Rua dos Barqueiros
アクセス:コロアネのバス停から徒歩約5分
営業時間:外観は24時間見学可能です
WEBサイト:www.macaotourism.gov.mo/ja/sightseeing/temples/sam-seng-temple-in-coloane
外観からして魅力的なコロアン図書館

「コロアン図書館」は、1911年に建てられたコロアン地区唯一の公共図書館で、地元住民の方に今も利用されています。外観はパステルグリーンと白を基調にした小さなコロニアル建築で、正面のバルコニーやアーチ型の窓が可愛らしい雰囲気です。建物は二階建てで、かつては村の公会堂や住居として使われていた歴史を持ち、その後図書館へと改装されました。館内はこじんまりとしていながらも明るく、木製の本棚やクラシックな家具が置かれ、静かな時間を過ごせる空間になっています。蔵書はポルトガル語や中国語の本を中心に、地域の歴史や文化に関する資料も含まれています。大規模な都市図書館のように観光客向けの展示は多くありませんが、外観だけでも、つい写真を撮りたくなってしまう魅力がありました。
聖フランシスコ・ザビエル教会

「聖フランシスコ・ザビエル教会」は、コロアン村の広場に建つカトリック教会で、1928年に建立されました。外観はクリーム色の壁に白い縁取りが施されたコロニアル様式で、シンプルながらも温かみのあるデザインが特徴です。小さな鐘楼とアーチ型の入口を備えた正面は、村の景観に溶け込みつつも象徴的な存在感を放っています。

内部はこぢんまりとした一室構造で、ヨーロッパの教会と比べると装飾もやや素朴な印象ですが、多数の宗教画が飾られ、木製の祭壇には聖フランシスコ・ザビエル像が祀られています。彼がイエズス会の宣教師で、日本に布教に訪れたことは日本史の勉強で多くの日本人が習いますが、アジア各地で布教をしていたのでマカオでも信仰の象徴的存在とされています。聖フランシスコ・ザビエル教会はかつてフランシスコ・ザビエルの骨片を安置していたことで知られ、信者にとって重要な巡礼地でした。現在その骨片はマカオの聖ヨセフ教会に移されています。
【聖フランシスコ・ザビエル教会】※2025年10月更新
住所:Rua do Caetano, Largo Eduardo Marques, Coloane
アクセス:コロアンのバス停から徒歩約2~3分
営業時間:9時30分~17時30分
WEBサイト:www.macaotourism.gov.mo/ja/sightseeing/churches/chapel-of-st-francis-xavier
タイパ地区を象徴する歴史的建築カルモ教会

「カルモ教会」は、1885年に建立されたカトリック教会で、タイパ地区を象徴する歴史的建築のひとつです。淡い黄色と白を基調とした外観は、南欧風の優雅さを漂わせつつ、タイパ・ハウスの並ぶカルモ公園の高台に建ち、緑豊かな環境と調和しています。建築様式は新古典主義を取り入れ、正面には三角形のペディメントとアーチ型の入口を備え、堂々とした佇まいを見せています。内部はシンプルで落ち着いた雰囲気にまとめられており、木製の祭壇には聖母マリア像が祀られ、信者の祈りの場として今も大切にされています。この教会はタイパ地区のカトリック信仰の中心であり、結婚式や宗教行事の舞台にもなってきました。観光に来た際は建物そのものの美しさはもちろん、公園の高台から眺める景色も魅力的でした。
【カルモ教会】※2025年10月更新
住所:Avenida de Carlos da Maia, Largo do Carmo, Taipa
アクセス:氹仔嘉模泳池(Piscina Municipal da Taipa)のバス停から徒歩約5分
営業時間:10時~12時30分・14時~18時
WEBサイト:www.macaotourism.gov.mo/ja/sightseeing/churches/our-lady-of-carmel-church
5棟のポルトガル風住宅タイパ・ハウス

「タイパ・ハウス」は、1921年に建てられた5棟のポルトガル風住宅を保存・公開している施設で、当時の欧州人官僚や富裕層の暮らしぶりを伝える貴重な文化遺産です。エメラルドグリーンの外壁と白い窓枠が印象的で、南国の植民地建築らしい優雅な佇まいを残しています。元々は高級住宅として使われていましたが、老朽化により一時は取り壊しの危機にありました。その後、修復工事が行われ、現在は博物館や展示施設として公開され、家具や調度品を通して20世紀初頭の生活様式を知ることができます。5棟のうち一部は文化展示や写真展などに活用され、マカオの東西文化交流の歴史を紹介する拠点にもなっています。館内はポルトガルの家具や陶磁器、古い写真で彩られ、居住空間の再現展示はまるで当時にタイムスリップしたかのような雰囲気を感じる場所でした。
【タイパ・ハウス】※2025年10月更新
住所:Avenida da Praia, Carmo Zone, Taipa, Macau
アクセス:氹仔嘉模泳池(Piscina Municipal da Taipa)のバス停から徒歩約5分程
営業時間:10時~19時※最終入館18時30分※月曜休館