世界遺産にもなっているアントワープの名所を紹介

ベルギー北部の都市アントワープは、首都のブリュッセル中央駅からICEで40~50分で移動できるので日帰りの旅にもおすすめ。ブリュッセルの一番の見所といえばルーベンスゆかりの大聖堂ですが、それ以外にも荘厳な市庁舎、世界一美しい駅と称される中央駅など、見どころは徒歩圏内に点在しています。
世界一美しい駅と称されることもあるアントワープ中央駅

「世界一美しい駅」とも称されることがあるアントワープ中央駅(Antwerpen-Centraal)は、まさに建築芸術の粋を集めたような空間です。完成したのは1905年で、石造りの重厚な駅舎と鉄骨ドームがある見事なデザインで、まるで大聖堂のような雰囲気。大理石の柱や繊細な装飾が施された天井は、訪れる人を魅了します。駅構内は4層構造で、地上から地下へと列車が行き交い、機能性と美しさを兼ね備えたヨーロッパ屈指の駅です。そして駅を出るとすぐ目に飛び込んでくるのが、白く輝く大観覧車。高さ約50メートルの「The View Antwerpen」は、街の中心からアントワープの屋根を見下ろす絶好のスポットとして人気です。 私がアントワープを訪れた時は、まずこの観覧車に乗ってアントワープの眺望を満喫しました。
国旗がたなびくアントワープ市庁舎

アントワープ旧市街の中心、グロートマルクト広場に堂々と建つのが「アントワープ市庁舎(Stadhuis van Antwerpen)」です。アントワープ市庁舎が完成したのは1565年、ルネサンス様式とフランドル風ゴシック様式が融合した壮麗な外観で、見る者を圧倒します。ファサードには世界各国の国旗が掲げられ、アントワープは世界に開かれた都市なんだなと感じました。市庁舎前には、英雄ブラボーが巨人を倒し、その手を川に投げたというアントワープの伝説を描いた「ブラボーの手投げ像」と噴水があります。多くの観光客がこのダイナミックな像の前で足を止め、写真を撮っています。通常は内部非公開ですが、特別なイベント時には見学できることもあり、金の装飾や歴史的な絵画が飾られた会議室など、豪華な内装をみれるようです。
世界遺産プランタンモレトゥス博物館

「プランタン=モレトゥス博物館」は、16世紀から印刷業を営んだプランタン家とその後継モレトゥス家の邸宅兼工房を保存したユネスコ世界遺産です。館内には、世界最古とも言われている印刷機や、グーテンベルク時代の貴重な書物、ルーベンスが描いた家族の肖像画などが展示され、印刷文化と美術が合わさった空間になっています。木製の活版やインクの匂いが漂う工房跡は、かつての職人たちの息遣いを今にも感じさせるほどリアル。図書室にはラテン語の原書や宗教書も並んでいます。アントワープ観光といえば大聖堂というイメージですが、プランタン=モレトゥス博物館も隠れた名所です。
【プランタン=モレトゥス博物館】※2025年10月更新
住所:Vrijdagmarkt 22, 2000 Antwerp
アクセス:アントワープ中央駅から徒歩約20分
営業時間:10時~17時(火~日)※月曜休館
ルーベンスの絵画が展示されているアントワープ聖母大聖堂

アントワープ旧市街の中心にそびえる「アントワープ聖母大聖堂(Onze-Lieve-Vrouwekathedraal)」は、ベルギー最大のゴシック様式教会で、1352年から実に170年の歳月をかけて建設されました。ユネスコ世界遺産にも登録され、その繊細な尖塔と荘厳な内部空間は、訪れる者を圧倒します。大聖堂内には、フランドル絵画の巨匠ルーベンスによる『キリスト昇架』や『キリスト降架』などの傑作が常設展示され、宗教建築と美術が一体となった神聖な雰囲気を醸し出しています。そして、大聖堂前の広場には、ルーベンスの銅像が堂々と建ち、アントワープが育んだ芸術文化の誇りを今に伝えています。また、そのすぐ近くには、日本でもおなじみの物語『フランダースの犬』の主人公ネロと愛犬パトラッシュが眠る石のベンチの像があり、日本人観光客の定番の写真スポットになっています。
【アントワープ聖母大聖堂】※2025年10月更新
住所:Groenplaats 21, 2000 Antwerpen
アクセス:アントワープ中央駅から徒歩約15分
営業時間:10時~17時(月~金)10時~15時(土)13時~17時(日)
WEBサイト:www.dekathedraal.be/en
観光の合間にアントワープ公園でリラックス

アントワープ中央駅から徒歩10分程にの場所にある「アントワープ公園(Stadspark)」は、かつての軍事施設跡地を整備して19世紀に作られたものです。広さは約14ヘクタールあり、池、石橋、芝生広場、彫刻、記念碑などが点在する落ち着いた雰囲気の空間です。観光客が多く集まるという場所ではなく主に近隣に住んでいるベルギーの方が利用する公園なので、観光の合間に自然の中でゆったりリラックスしたい時に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。