世界遺産イグアスの滝をアルゼンチン側から楽しむ方法
アルゼンチンには色々な観光スポットがありますが、その中でも外せない大自然の魅力を体験できる観光スポットが「イグアスの滝」です。イグアスの滝はブラジル側からも見ることができますが、今回はアルゼンチン側からのイグアスの滝の観光方法について解説します。
イグアスの滝への起点プエルト・イグアス

アルゼンチン側からイグアスの滝へ観光に行く際の起点となる街がプエルト・イグアス(Puerto Iguazú)という街です。ブラジル、パラグアイとの国境にも接しているため、「三国国境地点(Hito Tres Fronteras)」が存在する、地理的にもユニークなロケーションです。市内はホテルやレストラン、ツアー会社が揃い、滞在には非常に便利です。イグアス国立公園へはバスで約30分ほどでアクセスでき、バスターミナルからは観光客向けの路線バスが頻繁に運行されています。街中には赤土の道と緑豊かな熱帯植物が広がり、南米らしい素朴な空気感が魅力です。
イグアス国立公園は滝以外も魅力的

イグアスの滝をアルゼンチン側から観光する際は、イグアス国立公園(Parque Nacional Iguazú)に入園することが必須です。なぜなら、滝の大部分を間近に体感できる展望台や遊歩道はすべてこの国立公園の敷地内に設けられているからです。また、入場チケットを購入する際はパスポートが必須なので注意してください。イグアス国立公園内で目に映るのは深い緑のジャングルと色とりどりの植物、そして空を飛び交うカラフルな鳥たち。運が良ければ、園内を自由に歩くコアティ(ハナグマ)や蝶、トカゲなどの野生動物たちにも出会うことができます。まさに南米の原生熱帯雨林に包まれた世界を体験できます。
広い園内はエコトレインが大活躍

イグアス国立公園内の移動には、園内専用の「エコトレイン(Tren Ecológico de la Selva)」が活躍します。環境に配慮した低騒音・低公害の列車で、緑豊かな熱帯雨林の中をゆっくりと走ります。開放的な車両からは風を感じ、道中には野生動物の姿が見えることも。主に3つの駅があり、目的地に応じて途中下車が可能。中でも多くの観光客が目指すのは、イグアスの滝の絶好のビュースポット、悪魔の喉笛へと続く最終駅「ガルガンタ・デル・ディアブロ駅」です。徒歩では移動が困難な距離を楽に移動できます。
遊歩道を通って悪魔の喉笛へ

エコトレインの「ガルガンタ・デル・ディアブロ駅」を降りると、そこから全長約1.1キロの鉄製遊歩道が始まります。2001年に全面改修されたこの遊歩道はバリアフリー設計となっていて、車椅子利用者や家族連れでも安心して通行できます。アルゼンチン側のイグアスの滝には、滝を上から眺める「上部ルート」や、下から仰ぎ見る「下部ルート」など複数の観賞ルートがありますが、この遊歩道の先にある展望台は、特に迫力があることで知られる滝「悪魔の喉笛(Garganta del Diablo)」を真正面から間近に見ることができる絶好のビュースポットになっています。
展望台からはイグアスの滝の大迫力の絶景

遊歩道の終点にある展望台に立つと、目の前はイグアスの滝最大の名所「悪魔の喉笛(Garganta del Diablo)」が姿を現します。幅約150メートル、落差80メートルの断崖から、途方もない水量が一気に滝壺へと流れ落ち、轟音とともに白い水煙が立ち上る光景はまさに圧巻。展望台は滝のすぐ上に位置しているので、手すりのすぐ向こうで巨大な水の流れが落ちていく様子を直視できます。風向きによっては水しぶきが降りかかることもあり、その臨場感は他では味わえない特別なものです。滝の音が会話をかき消すほど大きく、五感すべてで自然のエネルギーを感じられる場所です。天候によっては虹が出ることもたびたびあります。
ボートでイグアスの滝へ大接近

アルゼンチン側からのイグアスの滝の観光は、今回紹介した「悪魔の喉笛」への遊歩道のルートが定番ですが、上部ルートや下部ルートを通って複数の角度からもイグアスの滝を眺めるのが一般的。さらに、アルゼンチン側のイグアス国立公園では、滝を間近で体感できるボートツアー「グラン・アベンチュラ(Gran Aventura)」も人気です。このツアーは、専用の大型ゴムボートでイグアス川を遡行し、複数の滝の真下に突入する迫力満点のアクティビティです。出発前にはジャングルを走る専用車での移動があり、道中では熱帯雨林の動植物を観察できるのも特徴のひとつです。滝壺に近づくと、視界が真っ白になるほどの水しぶきに包まれ、全身がずぶ濡れになるスリリングな体験が待っています。カメラやスマホなどの防水対策は必須です。

