世界遺産の街コルドバのおすすめ観光スポット|定番から穴場まで

世界遺産スペインのコルドバ

この夏、私は初めてコルドバを訪れました。711年にイスラム勢力に征服され、約500年後にはキリスト教勢力に奪還された、幾重もの時代が折り重なる街です。イスラム文化、キリスト教文化、ユダヤ文化が交わるこの地は、「コルドバ歴史地区」として世界遺産に登録されています。そんな街に私はすっかり心を奪われ、気づけばまた足を運んでしまったほどです。今回は、そんなコルドバで特に心惹かれた「絶対行きたいおすすめ観光スポット6選」をご紹介します。

目次

メスキータとコルドバ歴史地区を歩く

メスキータ内部の柱廊(円柱の森)
メスキータ内部の柱廊(円柱の森)

コルドバの歴史を最も肌で感じられるのは、メスキータ大聖堂(Catedral de Córdoba-Mezquita)です。イスラム時代、コルドバは首都として栄え、メスキータはヨーロッパ最大級のモスクに。内部に一歩足を踏み入れると、約850本の円柱と365もの二層アーチが連なる「円柱の森」に圧倒されます。13世紀にキリスト教勢力が再征服すると華やかな装飾が加わり、今でも大聖堂として使われています。イスラム建築とキリスト教建築が見事に共存する歴史の証と言えるでしょう。メスキータはコルドバ歴史地区の中心にあり、周辺のユダヤ人街や石畳の路地、白壁の家、シナゴーグなど、昔の面影を感じながら街の雰囲気を楽しめます。

【メスキータ大聖堂】※2025年12月更新

●住所:Calle del Cardenal Herrero 1, 14003 Córdoba

●アクセス:市バス3番または12番でPuerta del Puente停留所下車すぐ

●営業時間:営業時間はコチラから確認できます

●WEBサイト:https://mezquita-catedraldecordoba.es/en

コルドバのシンボル、ローマ橋

コルドバのローマ橋
コルドバのローマ橋

メスキータのすぐ近くを流れるグアダルキビル川には、古代ローマ時代の1世紀ごろに築かれたローマ橋(Puente Romano de Córdoba)が架かっています。石造りの橋は何度も修復を重ねながら2000年近い歴史を見守ってきた存在です。ゆるやかな弧を描くアーチと川に映る光がとてもきれいで、つい立ち止まって見入ってしまいます。橋を渡ると見えるカラオーラ塔は、かつて街を守った要塞で、今は展望台から旧市街を一望できる人気スポットです。川沿いや街並みをゆっくり歩くと、まるでタイムトリップしたかのような気分に浸れます。

コルドバの美しいパティオ巡り

緑にあふれるパティオ
緑にあふれるパティオ

コルドバといえば、毎年5月に開かれる「パティオ祭り(Fiesta de los Patios Cordobeses)」が有名です。この時期、家々の中庭や白壁に並ぶ植木鉢が色とりどりの花で彩られ、街全体が華やかに包まれます。パティオ祭りではコンテストが開かれ、参加したパティオが期間中に一般公開されます。訪れるときは公式サイトで開催期間をチェックしておきましょう。おすすめのパティオ巡りルートも紹介されていますよ。5月以外でも、かわいく飾られたパティオに出会えることがあります。私たちが訪れたのは真夏で40度を超える日でしたが、青々とした植物や花々に思わず見とれ、暑さを忘れてしまうほどでした。

キリスト教王の要塞アルカサル

アルカサルと美しく整えられた庭園
アルカサルと美しく整えられた庭園

コルドバのアルカサル(Alcázar de los Reyes Cristianos)は、かつてイスラムの宮殿があった場所に建てられた宮殿兼要塞です。14世紀の建物や庭園にはイスラム文化の名残が感じられます。キリスト教勢力征服後はカトリック両王の拠点となり、1492年にはコロンブスが新大陸航海をここで提案したとも言われます。かつて要塞や牢獄として使われたこともありましたが、今では静かな庭園とムデハル様式の建築を楽しめる人気スポットです。私たちが訪れた日は建物内部が改修中でしたが、整えられた植え込みや花壇の間を縫うように歩く小道をたどるだけでも、庭園の魅力を十分に感じることができました。

キリスト教王のアルカサル】※2025年12月更新

●住所:Calle de las Caballerizas Reales s/n, 14004 Córdoba

●アクセス:メスキータ大聖堂から徒歩で約7~10分

●WEBサイト:https://cultura.cordoba.es/equipamientos/alcazar-de-los-reyes-cristianos/

地元グルメを堪能!ビクトリア市場で味わうコルドバの食文化

ビクトリア市場に並ぶタパス
ビクトリア市場に並ぶタパス

初めてコルドバに車で来たときは気づかなかったビクトリア市場(Mercado Victoria)。街の中心にある人気のフードコートで、20以上の飲食ブースが並びます。スペイン料理はもちろん、世界各国の味も楽しめ、店内飲食でもテイクアウトでもOK。私のおすすめはサルモレホ(Salmorejo)、コルドバ発祥の濃厚な冷たいトマトスープで、パンとオリーブオイルでクリーミーに仕上げられています。別の日に電車で訪れたときに偶然見つけたこの市場で、帰りの長い道のりを前に、ローカル料理でお腹を満たし、身も心も大満足のひとときでした。

夜に楽しむコルドバの伝統馬術ショー

馬術ショー前の会場の様子
馬術ショー前の会場の様子

もしコルドバに一泊できるなら、コルドバ王立厩舎(Caballerizas Reales)の馬術ショーはぜひ体験してほしいです。ショーでは、アンダルシア馬の高度な馬術とフラメンコが融合し、音楽に合わせた華麗な動きや迫力ある演出が楽しめます。写真や動画の撮影は禁止されていますが、土が舞い、風を切って走る馬やドキッとする演出など、臨場感は抜群です。とても人気のショーで、特に観光シーズンは満席になることが多く、事前にチケットを購入することをおすすめします。開演時間は季節ごとに異なるため、公式サイトで確認しましょう。洗練された演技と息をのむ瞬間を体感できる、思い出に残る真夏の夜でした。

【コルドバ王立厩舎】※2025年12月更新

●住所:Calle Caballerizas Reales 1, 14004 Córdoba

●アクセス:市バス3番、6番

●営業時間:10時~13時30分/16時30分~19時30分(火)、10時~13時30分/17時30分~20時30分(水~土)

●WEBサイト:https://caballerizasreales.com/

コルドバへのアクセス

ユダヤ人街の小道
ユダヤ人街の小道

コルドバへは、電車でのアクセスが便利です。主要都市からは、Renfe の特急列車が頻繁に運行しており、マドリードから約2時間、セビリアから約45分で到着します。コルドバ駅(Córdoba Central)は街の中心部にあり、旧市街までは徒歩15〜20分ほど。世界遺産のメスキータやローマ橋など、主要観光スポットにも歩いてアクセス可能です。駅と旧市街をつなぐ道にはカフェやお店も多く、街並みを楽しみながら散策できます。アンダルシアを訪れる際は、魅力あふれるコルドバにもぜひ立ち寄ってみてください。

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